水産庁の漁業取締船「白鷺」が座礁 岡山・笠岡沖、乗組員14人は全員救助
21日午前9時40分ごろ、岡山県笠岡市沖の梶子島北側付近を航行していた水産庁の漁業取締船「白鷺(しらさぎ)」(149トン、下岡尚輔船長)から「船が乗り上げた。機関室に浸水がある」と118番があった。乗組員14人は水島海上保安部の巡視艇などに全員救助され、けがはなかった。座礁した船は船首を残して沈没し、周囲には油が流出した。 同保安部や同庁によると、白鷺は同庁瀬戸内海漁業調整事務所(神戸市)に所属。尾道港(広島県尾道市)から淡路島・洲本港(兵庫県洲本市)に向け、違法操業の取り締まり中だった。流出した油は燃料とみられ、長さ約40メートル、幅約30メートルにわたって広がり、巡視艇などが拡散作業に当たった。 22日も作業を続けるという。同庁が委託した業者が船体の状況を調べ、今後引き揚げる方針。同保安部は運航に問題がなかったか、業務上過失往来危険の疑いで捜査している。 同庁は「事故は大変残念だが、人命に被害がなかったのは幸いだった。原因究明に努めたい」としている。