インド総選挙、与党が単独過半数割れ-モディ氏は続投の意向表明
(ブルームバーグ): 4日に開票が始まったインド総選挙では、モディ首相率いる与党・インド人民党(BJP)は議会で単独過半数を失う見通しだ。10年にわたり政権を握ってきたモディ氏は与党連合による政権樹立を余儀なくされる。
開票結果によれば、BJPは240議席を獲得し、第1党を維持しているが、過半数の272議席には届かなかった。BJPを軸とする与党連合「国民民主同盟(NDA)」は293議席を獲得し、連合を維持すれば政権樹立に十分な議席を得たことになる。一方、野党連合の「インド国家開発包括同盟(INDIA)」は229議席を獲得する勢いだ。
選挙結果が予想よりもはるかに接戦となり、NSEニフティ50指数は5.9%安と、約4年ぶりの大幅安となった。
モディ氏は、30議席ほどを有するNDAの主要2政党から支持を得る必要がある。この2政党の指導者は支持する政党を変えてきたことがあり、モディ氏と手を組んだのはわずか数カ月前だ。今回も同氏を支持するのか、野党連合に付くかは明確にはなっていない。
モディ氏はソーシャルメディア、X(旧ツイッター)への投稿で与党連合の勝利を「歴史的偉業」と称し、「新たなエネルギー、新たな熱意、新たな決意を持って前進する」として続投の意向を表明した。
その後4日夜には、党本部に集まった支持者らを前に「NDAが3期連続で連立樹立の信任を得たことが裏付けられた。 BJPとNDAへの絶大な信頼を示した国民に心から感謝する」と述べた。
オブザーバー・リサーチ・・ファンデーションのニランジャン・サフー上級研究員は「これは選挙ではなく、政治的な激震のようなものだ」と指摘。「たとえモディ氏が首相を続投しても、同氏の立場は相当弱まるだろう。以前と同じモディ氏ではなくなる」と述べた。
今回の選挙では、ラフル・ガンジー氏を旗振り役に20余りの野党が「モディ降ろし」で結束。格差拡大や失業率の高止まり、生活費高騰に直面し、インドの成長ストーリーから取り残されたと感じる有権者にアピールすることを狙った。