エロ俳句にハマった人気芸人「スケベなネタはやってないですが…」きっかけはピース又吉の衝撃
お笑い芸人のかが屋・加賀翔さんと放送作家の白武ときおさんによるエロ自由律俳句集『鼻を食べる時間』が、1月23日に太田出版から発売されました。 【画像】17歳の自由律俳句と出会ったかが屋・加賀翔さん 自由律俳句は、季語や韻律に縛られない自由な俳句。本作にはそこにエロティシズムのエッセンスを加えたエロ自由律俳句が、ゲストの寄稿も含めて300も収蔵されています。 今回、著者の一人であるかが屋・加賀翔さんにインタビュー。 自由律俳句との出会いから、エロ自由律俳句をつくるに至った経緯、エロ自由律俳句とかが屋のコントとの関わりなどを聞かせてもらいました。
自由律俳句との出会いは17歳、ピース又吉が…
――加賀さんの自由律俳句との出会いを聞かせてもらえますか? 加賀翔さん(以下、加賀):出会いは17歳くらいです。僕は当時からお笑いが好きだったのですが、「キングオブコント」でピースのコントを見て、あまりの面白さに衝撃を受けたんです。 そのピースの又吉(直樹)さんが自由律俳句の本を出版するとテレビ番組で紹介されていて、句を何本か読んで「なんでこんなことをわざわざ一行で書いたんだろう」と、再び衝撃を受けました。 人に言うまでもない内容なのに、魅力を感じたんです。 ――まるで又吉さんに導かれるかのように、自由律俳句にたどり着いたわけですね。 加賀:それからは又吉さんの本だけじゃなく、きむらけんじさんや他の作家さんの句集も探して読み漁りました。 自由律俳句は当時の自分がメモしたり書き溜めていたものに近かったのもあったんです。なんとなく「わかってくれそう」というか。 僕は学校では面白い方ではなくて、ツッコんだりボケたりで人と思いを共有することが難しい人間でした。 でも、自由律俳句なら僕も面白いことを表現できるかもと思ったんですね。
自由律俳句に「エロ」を追加した理由
――自由律俳句を始めたのは芸人になるよりもかなり前のことだったのですね。 加賀:本当だ。お笑いよりも早いですね、そういえば。 ――その自由律俳句になぜ「エロ」を追加したのでしょう。 加賀:これ、白武さんも僕も悩んだところなんですけど。 正直なところ、自由律俳句の先輩たちにかぶらないようにするっていうのが一番にあったんですよね。 ――ネタかぶり防止ということですか。 加賀:はい。エロって僕たちが影響を受けてきた人たちがまだ触れていない部分だと思ったんです。 自由律俳句って、定義がないからこそ「明らかにうまいよね」って思わせることが逆に難しいんですよね。 そんな中で読者の方に「自分も自由律俳句を詠んでみたい」と思わせるにはどうしたらいいかと考えた時に……。 ――「エロ」が最適ではないか、と。 加賀:この本に書かれた句は「エロ自由律俳句」と言わなければ、そんなにはエロの匂いがしないものも多いんです。 でも「エロ」と公言することで、頭の中に浮かんでいる絵を共有しやすくできるのではないかと。読者に対して自由律俳句の読み方を誘導している感覚ですね。 ポップでなおかつ未開という意味で付けた「エロ」です。