【TARAKOさんお別れの会】参列者800人が想いを込めて追悼の大合唱
参列者による囲み取材でのコメントはこちら
●屋良有作(アニメ『ちびまる子ちゃん』父・さくらひろし役) 自分の芝居のこともそうなんですけど、みんなのことを考えてて。一座として楽しくやれる雰囲気を作ってくれました。本当にあったかい現場でした。だからもう感謝しかないんですよ、TARAちゃんには「ありがとう」なんです。 ●島田敏(アニメ『ちびまる子ちゃん』おじいちゃん・さくら友蔵) とても心配りの出来る方で、若い方々が入ってきたときには気さくに声をかけて、場がすごく和やかになるような、そんな雰囲気を醸し出してくれる座長だったと思います。『ちびまる子ちゃん』の中でときどき歌が入るんですが、まるちゃん(まる子)と友蔵おじいちゃんが歌うところはアドリブなので、「TARAちゃん、どうする?」って聞くと「敏さんに任せます」って言うんです。そこで私が下手くそな歌を歌うんですが、ミュージシャンですから本当に上手く拾ってくださるので、そのシーンが綺麗に出来ちゃうんです。いやもうブラボーでした。 ●佐々木優子(アニメ『ちびまる子ちゃん』おばあちゃん・さくらこたけ) TARAちゃんはお誕生日のお祝いが大好きで、とにかく「今週誰々の誕生日ですから、みんなで歌いましょう」って必ずスタジオの中でハッピーバースデーを彼女のリードでみんなで歌うのが定番で。でも全出演者全スタッフの誕生日を憶えていて、毎月のようにみんなで歌っていた思い出があります。 ●豊嶋真千子(アニメ『ちびまる子ちゃん』お姉さきこ・さくらさきこ) 私は二代目お姉ちゃん役ということで、最初すごくドキドキしていたんです。でもアフレコのときのテストで、TARAKOさんはいつも「楽しいね、楽しいね」って言いながらやってて、TARAKOさんのそのあったかい空気に包まれて伸び伸びやることが出来ました。一緒にスタジオの中で姉妹として過ごした時間はかけがえのない時間だったなって思っています。 ●キートン山田(アニメ『ちびまる子ちゃん』初代ナレーション) 座長って言い出したのは僕なんですよ。そんなに気を遣わなくていいよっていうぐらい気を遣う人でしたので。本当にお疲れ様でした。 ●山寺宏一 デビューして間もない頃レギュラーでご一緒させていただいて、そこからの長い付き合いになります。TARAちゃんとは同世代ということでとても親しくなりまして「TARAちゃん」「山ちゃん」と呼び合って、彼女がプロデュースした演劇集団WAKUの舞台にも、一度出させていただきました。昨年末に上映された舞台も拝見しまして、終わった後で楽屋におじゃまをさせてもらったときにはとてもお元気だっただけに、本当に信じられないという気持ちでいっぱいです。あまりにも突然だったし、僕はニュースを見るまで何も知らなかったのですから。もっともっと話をしたかった。声優の話、芝居の話。出来ればもう一回TARAちゃんのお芝居に出れたらよかったなって思います。『ちびまる子ちゃん』という作品は、皆さんおっしゃってましたけどTARAちゃんじゃなければこんな風に日本中、世界中に愛される作品にはならなかったんじゃないかと個人的には思います。声優は作品のごく一部を担当するわけで、「その人じゃなきゃダメ」っていう作品ってそうそうないと僕は思っていたんですが、TARAちゃんの『ちびまる子ちゃん』はTARAちゃんじゃなければダメだというのがあって、すごいことだなといつも思っていました。念願叶って何年か前に『ちびまる子ちゃん』に出させていただいたときに「みんないつも言ってるから飲みに行こう」って話になったんです。周りに飲み屋ないしと思ったら「ファミレスがあるよ」って言って、なんとファミレス飲みをすることにりまして(笑)。僕もそこそこの年齢だったし、ファミレスで夕方から飲むなんてないんですけど、「TARAちゃんが言うなら」っていってみんなで飲んだんですが、楽しくて楽しくて。そんなことも憶えています。いつもいつも励ましてくれて、もう笑顔しか思い出せません。本当に心から感謝しています。 ●木原実(日テレ「news every.」お天気コーナー担当の気象予報士) 『ちびまる子ちゃん』でまるちゃん(まる子)のお友だちのたまちゃんを演じている渡辺菜生子さんが実は僕の日芸(日本大学芸術学部演劇学科)のときの一期上の先輩で、僕は『花組芝居』というところでずっとお芝居をやらせていただいていたんですが、気象予報士の資格をとった途端に非常に忙しくなりまして、劇団で活動は無理だと思って一回芝居を辞めたんです。何年か経って菜生子さんから「面白い芝居をやっていて、TARAKOさんっていうんだけど会ってみない」と言われたのが切っ掛けで、演劇集団WAKUに初めて参加させていただいて、それから毎年公演に出させていただいていました。TARAKOさんは演出だけでなく舞台にも立ちますので、共演者としてスリリングな時間を過ごさせてもらいました。自由奔放で、才能にあふれた天才だと思っています。脚本も演出も斬新ですし、演じる役も非常に面白い。子供から年配の方まで分かりやすいお芝居で、あったかいお芝居でした。去年の舞台が最後になりましたが、僕がWAKUに参加した限りにおいては小劇場のお客さんが全員立ってのスタンディングオベーションは初めて見ました。そんな経験したことないのでうろたえましたが、とてもいい思い出になったと思います。 太田光(お笑いコンビ・爆笑問題) 僕らはお会いしたのは本当に数回なんですけど、『ちびまる子ちゃん』のエンディングの曲の「アララの呪文」を僕らが“爆チュー問題”としてまるちゃん(まる子)と「ちびまる子ちゃんwith爆チュー問題」で歌ったんです。レコーディングは別々でしたが、一生懸命歌って「なかなか上手くいったんじゃない?」と思っていたんですが、出来上がってTARAKOさんの声が乗った曲を聴いたら我々はバックコーラスみたいになっちゃって。「声のプロの人ってマイクの乗りとか全然違うんだな」ってビックリしたのはよく憶えています。最後にお会いしたのはさくらももこ先生のお別れ会のときだったんですが、不思議とさくらももこさんとまるちゃんとTARAKOさんって一緒のイメージがあります。番組のナレーションもTARAKOさんにやってもらってて、それもすごく嬉しくて。本当にお世話になりましたし、感謝の気持ちしかないです。接点は間接的なかたちだったんですが実は深くあったので、もっともっとお会いできる機会があればよかったなって今になって……今更遅いんですけど思いますね。 田中裕二(お笑いコンビ・爆笑問題) さくらももこ先生は我々と同世代、TARAKOさんはちょっと上になるんですけど、まるちゃん(まる子)との三人を同一化しちゃうんですよ。アニメ『ちびまる子ちゃん』はエンディングテーマを歌わせてもらったりだとか、実写版にも爆笑問題で出させてもらったりだとか、節々で縁があった作品でした。年齢も近いのでショックが強いです。いろんなお別れの言葉を聞いて、みんなから本当に愛されていたんだなっていうのを実感しました。
ライター 川畑剛