北朝鮮を牽制するアメリカ大型爆撃機、米爆撃機を牽制?ロシア大型爆撃機 北朝鮮は新型極超音速ミサイルを発射
4月2日17時過ぎ、在日米軍・横田基地に、米空軍のB-52H大型爆撃機が着陸した。 【画像】火星16ナ(火星16B)の極超音速滑空体。底面の形状が確認出来る。 B-52H大型爆撃機の中には、核兵器の運用ができる機体もあることから、“戦略爆撃機”と呼ぶ向きもあるが、今回、飛来した機体にそんな核兵器運用能力があるかどうかは不明だった。 しかし、アメリカ国営放送のVOA(ボイス・オブ・アメリカ)韓国版は、4月2日、「米韓日、朝鮮半島近くで共同訓練… 『核武装可能』B-52H出撃」と報じていたのである。 「核武装が可能な米空軍戦略爆撃機B-52Hが本日(2日)韓国の済州東南方の日韓間防空識別区域(ADIZ)が重なる区域上空で日韓空軍と連合訓練を行った。韓国空軍からはF-15K戦闘機、日本航空自衛隊からはF-2戦闘機が参加し、米空軍のF-16戦闘機も参加した。・・・B-52Hは射程距離200kmの空対地核ミサイル(筆者注:射程2000㎞のAGM-86Bか?)をはじめ、最大31tの爆弾を載せ、6400km以上飛んで目標物を爆撃することができる」として、B-52H爆撃機の核兵器運用能力を強調していた。 しかし、この共同訓練の模様の映像も画像も公開されておらず、横田基地に展開したB-52Hと同一の機体かどうかは定かではなかった。だが、同日(4月2日)、大型爆撃機を繰り出していたのは、米国だけではなかった。 ロシアもまた、この日「戦略ミサイル母機(爆撃機)Tu-95MS二機が日本海の中立海域上空で10時間の飛行を完了した。Su-30SM戦闘機が随伴した」(ロシア・RIAノーボスチ通信 2024年4月2日付)というのである。 なぜ、同じ日に、日本海周辺の空中で、米露の爆撃機による鞘当のようなことが行われたのか。 前述のVOAは、「韓国国防部は今回の(B-52Hを含めた日米韓の)訓練が、高度化する北朝鮮の核とミサイル脅威に対する抑制と対応能力を向上させるために進められた」(同上:2024年4月2日付)としていた。 つまり、韓国政府にとっては、B-52H爆撃機を含めた日米韓の訓練は、北朝鮮の「核・ミサイル」に対応するための訓練だった、というのである。 横田基地に展開していたB-52H大型爆撃機は4月4日に横田を離れた。 日米韓が北朝鮮の「核・ミサイル」をけん制するように「核武装が可能な米空軍戦略爆撃機B-52H」を交えた共同訓練を行い、ロシアは、日米韓の動きをけん制するかのように、Tu-95 MS大型爆撃機を繰り出した、といったところだろうか。 では、日米韓の共同訓練が、牽制しようとしていた北朝鮮は、どうしていたのだろうか。