大阪メトロの名物「百葉箱」が完全引退へ ホームに根をおろし90年〝第2の人生〟は歴史展示に
百葉箱について、大阪メトロ電気部の石王正三さん(51)は「入社時からデータ回収などに携わった設備。大阪メトロの広告塔でもあっただけに寂しい気持ちもある」と話す。「百葉箱の設置駅では、今しか見られない景色を楽しんでいただけたら」
年末頃から撤去を開始する予定。頑丈なつくりのため撤去も容易ではないといい、作業には約1カ月かかるという。今度こそすべての百葉箱が、大阪の地下鉄の現場から姿を消すことになる。(北村博子)
百葉箱 屋外で気象観測をするために温湿度計などを入れておく木箱。イギリス発祥で、日本には明治8年に導入された。戦後は理科教育の振興を目的に全国の小学校に普及。気象庁も長年、百葉箱を用いており、同庁によると昭和49年に自動で気象観測を行う「アメダス」の運用が始まったが、故障などに備え併用していた。平成5年に百葉箱での観測を廃止した。