「雨水5万リットルを水道代わりに」 ニューカレドニア【ウベア】に住む 日本人女性が教えてくれた島の暮らし
ある“日本人俳優”の名前を冠したビーチも?
ムリ橋の下を流れる水路はやや深いブルーで、白砂とのコントラストは眩しいほど。橋の上から見下ろすだけでも感動的ですが、誰の足跡もついていない砂の上を歩いて水際まで行き、スノーケリングをしてみると、海の中にはこれまた違った美しい世界が広がっています。 ムリ橋付近の透明度の高い水中には、どこまでも続く真っ白な砂紋が。光がゆらゆらと揺れる砂紋の上にぷかりと浮かんでいると、たまらない浮遊感。この清涼感たっぷりの光の世界はリラックス効果がバツグンです。 ウベアの西側は約25キロも白砂のビーチが続いています。その中央あたりのムリビーチは、ブルーキュラソーを流し込んだような真っ青な海とサラサラの白砂が広がる絶品ビーチです。 そんなムリビーチを前にしていたら、なぜか水際に向かってダッシュしたり、砂の上でジャンプしたりしてしまいました。どうもムリビーチはそのあまりの美しさゆえ、人を狂わせてしまうようです。
ウベア唯一のリゾート「パラディ・ド・ウベア」で働く日本人女性の話
ランチはウベアで唯一のリゾート、「パラディ・ド・ウベア」へ。ここの日本人スタッフの岩本雅子さんは島の男性と結婚され、4人のお子さんに恵まれた方。島の話をいろいろ聞かせてもらえます。 日々の食事は、ご主人がとってきた魚やカニが中心。カニは茹でたり、蒸したりしたものを、しょう油や塩コショウで食べるそう。ウベアの海水を使って塩茹でにすると、深みのある塩味になるのだとか。おいしそう。 島には精肉店がないので、自分たちで飼っている牛や豚、ヤギ、鶏などの家畜がテーブルに。動物をしめるのは男性の仕事で、雅子さんの息子さん2人も手伝います。小さい頃から命をもらうことの大切さを知るのだそうです。 さらに水道システムもないため、雨水を溜めて使います。だから、畑もやっているけれど、水がたくさん必要なキュウリやレタスなどの葉ものは育てない。ちなみに、雅子さんの家には5万リットルも溜められるタンクがあるとか。 島の暮らしで大変だったことを聞くと、「あえて言うなら、ずっと電気がなかったから、子供の服やおむつを手洗いしなければいけなかったのが大変でした。でもこういう性格だから……」と、朗らかに笑います。 雅子さんが目下計画しているのが、2025年に開催される大阪万博に、彼女のお子さんを含む22人の子どもたちを連れていくこと。フランスのパビリオン内にニューカレドニアのブースが出展されるとか。 「今から日本文化のことなどを子供たちに勉強してもらって、いずれ市や県に話を持っていくつもりです」 果たして、ウベアの子供たちの目に日本はどう映るのでしょう? 訪日が実現するといいですね! ウベア ●アクセス ニューカレドニア・ヌメアのマジェンタ空港から国内線で約40分 ●おすすめステイ先 パラディ・ド・ウベア ウベア在住の雅子さんの毎日はInstagramでチェックできます 古関千恵子(こせき ちえこ) リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。 ●オフィシャルサイト
古関 千恵子