COP28とビットコイン:美しい友情の始まりか
気候変動問題に対処するための世界的な協調アプローチを議論する年次会議「COP28」が日本時間11月30日午後、開幕する。今年は、世界有数の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)での開催となった。 すでに、無策がもたらす破滅的なコストを強調するような必死のメッセージが聞こえている。120カ国の首脳がスピーチに磨きをかけ、ローマ法王フランシスコも肺炎にもかかわらず登場する予定だ。 しかしこれまで通り、このイベントは時間と(あらゆる種類の)エネルギーの浪費に終わる可能性が高い。とはいえ、この大混乱の中にも暗号資産(仮想通貨)のポジティブな活用が潜んでいる。
COPという混沌
まず、私の懐疑的な見方を簡単に述べよう。 これまでの実績は芳しくない。1995年に開催された第1回COP(Conference of Parties:締約国会議)では、先進国の温室効果ガス排出量を削減するために、法的拘束力のある具体的な目標とスケジュールを設定するよう各国政府に求めた。それから約30年経った現在も、まだそのようなものは存在しない。 今年の会議の議長は、スルタン・アーメド・アル=ジャベール氏。彼は国営石油会社ADNOCのCEOでもあり、最近のUAE OPEC+枠の上方修正を受けて、来年は石油生産量を増やすと見られている。 ADNOCはまた、国際的な化石燃料の権益を積極的に拡大している。私は、石油会社の重役は、他の石油会社の重役に話を聞かせるのに良い立場にいると思っているし、ADNOCは収益源の多様化にも取り組んでいる。しかし、ここに利益相反がないと信じろというのは無理な話だ。実際、リークされた文書によって、UAEがホスト国としての立場を利用して、十数カ国と石油・ガス取引について話し合おうと計画していたことが明らかになっている。 世界中の政府は、気候変動対策にはより多くの資金が必要だと認識している。2009年、ドナー国(援助供与国)は発展途上国の化石燃料への依存を減らすため、2020年までに年間1000億ドル(約14兆7000億円)を拠出することに合意した。この目標は今年になってやっと達成されたが、いずれにせよ、それはもう重要ではない。国際エネルギー機関(IEA)の最近の報告書では、年間2兆7000億ドルの資金が必要とされている。 そのすべてを公的財源から捻出する必要はないだろう。ほとんどの先進国政府は、同盟国の国境防衛を支援したり、パンデミック給付金を維持したり、銀行が債務不履行に陥らないようにしたりと、より短期的な優先事項に苦慮している。