年金月15万円・1人暮らしの〈68歳母〉が要介護…「面倒をみるのは私の役目ですか?」親ガチャに悩まされ続けた〈43歳長女〉の決断
10人いれば10通りの親子関係がありますが、すべての人が「良好」と自信満々に言えるとは限りません。なかには「ほとんど口を聞かない」というケースも。難しい親子関係、その一例をみていきます。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
弟との「きょうだい格差」を感じて育った43歳女性
――母の面倒をみるのは、私の役目でしょうか? 43歳、女性の投稿。昨年、72歳の父が亡くなり、実家には3つ下の母が1人暮らし。女性は3人きょうだいの長女(きょうだいは、長女、長男、次男)ですが、実家からの距離は長男や次男のほうが圧倒的に近く、女性宅から実家には車でも片道2時間程度。それなのに、何かにつけて女性に連絡を寄こしてきては、「あーしてほしい、こーしてほしいと言ってくる」のだとか。そこで湧いてきた感情が冒頭の言葉だったといいます。 国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』によると「妻の母親との同居率」は5.9%。また妻の母と別居している場合、「60分未満」が59.3%、「60分以上」が40.7%でした。このような距離感のなか、介護を必要とする妻の母親において、主な介護者で最多は「妻のきょうだい」で31.2%。続いて「妻」が27.6%。「妻の父」6.6%、「親族以外」4.7%、「妻のきょうだいの配偶者」3.5%と続きます。また23.2%が「施設・病院に入所・入院中」だといいます。 娘=妻が母親の介護、面倒をみるというパターンは、4人に1人以上という割合。住まいがどれほど離れているかにも左右されますが、「娘には身の回りの世話を頼みやすい」というのもあるのでしょう。「娘が母親の面倒をみる・介護をする」というのは、よくみられるパターンです。 ただ女性が母の面倒をみることに対してネガティブになる理由は、距離以外にもあるのだとか ――男の子が欲しかった両親は、私と弟たちと、明らかに差をつけていた 「習い事をしたい」とお願いしたことがあったけど、「女の子にそんなものは必要ないでしょ」と一蹴。しかし弟たちは、「やりたい」と言ったことはほぼ何でもやらせていた……。進学においても、女性には「女の子なんだから、高い学費を出してまで大学なんかいかなくてもいいんじゃない」というのに(結局、学費の安い公立大学なら、と進学を許してくれた)、弟たちには「男は大学くらいでておかないと」と、学費の高い私立大学でも何も言わず(しかも在学中に海外留学も)。 このような対応は、女性に子供(孫)が生まれても。明らかに弟たちの子供らには「大切な跡取りだから」と、何かにつけて激愛。それに対して女性の子供には……。さすがに我慢ならず、女性は実家にあまり寄り付かなくなったといいます。 周囲から「いわゆる親ガチャ、失敗だね」といわれて、妙に納得したという女性。合同会社serendipityが20歳以上50歳未満の男女に対して行った調査では、「他のきょうだいと自分の扱いに対して親への不満がありましたか?」の問いに対して、長女の64.7%が「不満あり」と回答。全体的に男性よりも女性のほうが親に不満があったことがわかります。 【きょうだい格差「親に不満あり」の割合】 長男:47.1% 長女:64.7% 中間子男:56.7% 中間子女:67.2% 末子男:42.5% 末子女:57.1%