セレブ画家の妻が激白「絵を描いたのは私!」60年代全米を揺るがしたアート界のスキャンダルをテーマにした問題作【ビッグ・アイズ】
えいがの絵日記 その18
イラストレーターのともゑさんが、心に響いた映画をイラスト絵日記にするシリーズ。第18回は、奇才ティム・バートン監督作で、実在の女性画家が主人公。絵描きの心の琴線に触れた…? 【画像】『ビッグ・アイズ』えいがの絵日記はこちら
まだまだ女性の人生は不自由な時代に…
どっちが作者?で もめた実話 1950~60年全米でめが大きい子供の絵その名も『ビッグ・アイズ』が大流行!!作者はマーガレット・キーンですが夫に「女の絵は売れないからな!」俺が「描いたことに!」と強要されていました。…後年、真実を明かして裁判に。奇才ティム・バートン監督がカラフルに描く~当時のアメリカにも注目です!
描けるのは娘の絵だけ
女の道は娘→妻→母という時代 「飛行機に乗ったこともない…」自由がなかったマーガレット。なので…絵のモデルは娘だけ。そこから変化させて描くしかありません。でも抑圧されたからこそ溢れ出た才能とも言えます。異様なまでに大きく描かれたそのめにはきっと彼女の思いがぎっしり!
いつの世にもいる搾取者
夫・ウォルターという怪物 「なんなら売れてない俺の絵を君が描いたことにしていいよ」ゾッとしました。何…そのとりかえっこ…後ろめたさのかけらもなくあちこち飛びまわる男。ついには「今度テレビに出るからさ、創作理由とか教えて!」
創作は魂の作業
一度、ふざけて自分の絵に作者○○と他人の名前を記したことがあります。小学生の頃、鉛筆で描いた簡単な絵。しかも広告の裏。すぐ消しました。変な気がして。今こうやって署名原稿を描いて眺める度、幸せを感じます。そう…やっぱりマーガレットの言う通り「絵は私の一部」だから。
『ビッグ・アイズ』(2014) Big Eyes 上映時間:1時間46分 アメリカ
監督:ティム・バートン 出演:エイミー・アダムズ、クリトフ・ヴァルツ、ダニー・ヒューストン、テレンス・スタンプ 他 1950年代のアメリカ。大きな目をした子どもたちの絵<ビッグ・アイズ>が大人気を博し、作者のウォルター(クリストフ・ヴァルツ)は富と名声を手にする。しかし、実は本当に絵を描いているのは内気な妻マーガレット(エイミー・アダムズ)だった。嘘で塗り固めた10年が過ぎ、真実を告白しようとするマーガレットだが…。アート界の実話をティム・バートン監督が映画化。人に理解されがたい才能を描かせたらピカイチなバートンならではの、繊細な演出が魅力。