「生涯5000曲超」キダ・タローさんが秘めていた「作曲家のプライド」円広志に返した「カッコええ」ひと言
2024年5月14日、惜しくも亡くなった作曲家のキダ・タローさん(享年93)。長年、親交のあった歌手・円広志が明かす「2人の日々」――。 【画像あり】「最後まで、二枚目の人やった」キダ・タローさんと円広志のツーショット 「キダ先生は多いときで1日40曲、生涯で5000曲以上書いたとおっしゃっていました。 『なんで、そんなんできるんですか?』と聞いたら、『僕は商業作家や。あんなもん、でっち上げや。恥を捨てたらええねん』と。作曲家のプライドがあるからこそ、『恥を捨てた』と言えるんです。カッコええですよね。 先生とはよくメールをしました。15年ほど前、『芸能界の人間関係でちょっと悩んでいて……。本当に難しいです』と送ったら、『あんまり人には近づかんこっちゃ』と、ひと言だけ返事がきました。キミはさびしんぼうやから、どうしても人と近づきすぎてトラブルになるんやと。歳を重ねて、先生の言葉の意味がわかるようになってきました。先生は人を傷つけないために、人に近づかず、ただ奥さんとの日常を大切にされていました。 もう言ってもかまわないと思うけど、先生はここ数年、体調がよくなかったんです。でも、病名の公表は望んでおられませんでした。『ただの自然死でええ』『お葬式いらん、お坊さんもいらん、線香いらん』と。『晩節を汚したくない』ともおっしゃっていました。最後まで、二枚目の人やったなと思いますね」
週刊FLASH 2024年12月24日号