阪南大高、逃げ切れず近江と1-1ドロー
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関西1部は21日に第3節を実施。阪南大高見ノ里グラウンドで行われた阪南大高(大阪)と近江(滋賀)の一戦は1-1の引き分けとなった。 【フォトギャラリー】阪南大高 vs 近江 立ち上がりに主導権を握ったのは開幕2連勝の阪南大高だった。「近江は上手いので今週1週間はプレスの掛け方をしっかり練習してきた。それがしっかりハマって、全員が前の意識を持てていた」。主将のMF6福本一太(3年)が話す通り、高い位置でのボール奪取が機能し、ショートカウンターから見せ場を作る。 先制点を奪ってからも阪南大高の勢いは衰えない。10分には高い位置のボール奪取からFW10弓場潤哉(3年)がゴールを狙う。26分には前線で収めた弓場にスルーパスに、後方から飛び出した伊藤が反応し、フリーでシュートを狙ったが枠を捉えることができない。27分には相手ゴール前でボールを奪った福本がそのままGKとの1対1に持ち込んだが、ボールは相手に当たってCKに。前半だけで5本のシュートを放ちながら、追加点は奪えず福本は「奪ってからの攻撃も上手く繋がったので、良い感じで点が取れたのですが、その後の追加点が取れなかったのでしんどかった」と振り返る。 追いかける展開を強いられた近江は前半半ばに怪我明けのエースFW10山本諒(3年)を投入。ビルドアップに苦戦した立ち上がりの戦いを修正し、前線での収まりどころを作った。更に後半に入ってからは、阪南大高のストロングポイントであるサイド攻撃にも対応しつつ、攻撃の受ける場所を修正し、反撃の手筈を整えていく。 最初の見せ場は前半2分。左サイドを抜け出したFW14伊藤成康(2年)のパスから福本がシュートを放つ。続く7分には中央からの大きな展開を右サイドのMF13柏大輝(3年)が上手くトラップ。そのまま右サイドを抜け出し、ゴール前に入れた低いクロスが近江の選手に当たってゴールに吸い込まれた。 「近江はしっかり修正ができるチーム。自分たちは修正に気付けなくて、同じことをやっていたから、相手の思うつぼだった」。そう口にするのは福本で対応が遅れた阪南大高は押し込まれる時間が増加。後半21分には左サイドを崩され、山本のクロスから反対サイドのMF4河野翔空(2年)のシュートを打たれた。36分にはMF8伊豆蔵一惺(3年)のスルーパスから、山本にDF裏を取られたが、GK1沖見駿介(3年)が接触を恐れず前に出てシュートを打たせない。 このまま阪南大高が逃げ切るかと思われたが、42分には河野のパスからMF14清田陽大(3年)が左前方に侵入。ゴール前にマイナスで入れたボールをMF18市場琉祐(2年)が決めて同点に追いついた。試合終了間際の44分にも右サイドを抜けたMF15天雷樹(3年)のパスから、DF2中川郁人(3年)がゴールを狙ったが、シュートはミートせず1-1で勝点1を分け合う結果となった。 試合終盤に追いつかれ、白星を逃した展開に見えるが、濱田豪監督の見方は違う。「数年前のプリンスリーグとは違い上位と下位のすみ分けがないので、圧倒できるとは全く思っていなかった。勝てなかったと思っている選手が多いけど、流れ的にはひっくり返されてもおかしくない状況だった。(試合の)ポイントで働けなかったら、必然的にこうなる。選手には勘違いしてはいけない。たまたま2つ勝っていただけと伝えました」と口にする。 次節以降も90分通して相手を圧倒できる展開にはならず、良い時間帯があれば悪い時間帯もある。悪い時間帯をどう乗り切るか、1週間の取り組み、修正力が問われる。「ずっと勝っていたら悪い部分に気付けなかったと思うので、今日の引き分けを良い意味に捉えて良い方向に持っていきたい」と福本が話す通り、阪南大高は引き分けという結果を成長に繋げるつもりだ。 (文・写真=森田将義)