警察の違法行為に激怒 約1000人の市民が台湾の警察署を包囲/台湾
台湾の立法院(国会に相当)を占拠していた学生らが議場内から撤退した翌4月11日、国民と政府側との間で早くも緊張が高まっている。「強制排除はしない」とメディアへ公言したにもかかわらず、警察は11日朝、立法院を占拠していた学生らと台湾の独立を主張する団体「公投護台湾聯盟」のメンバーら約100人を、立法院前の広場から一斉に強制排除した。同聯盟はこの5年間、立法院前で座り込みを続けており、今回の24日間に渡る立法院周辺のデモ集会も同聯盟が許可を申請していたという。
この警察の排除に絶望した同聯盟の総発起人・蔡丁貴氏は、自殺を図って道路に飛び出してバイクにはねられ、さらにバスの走る内側車線に出たが急停止したため一命を取り留め、病院へ緊急搬送される事態に。警察署はその直後、公式サイトで「今後、同聯盟の集会申請はいっさい許可しない」と発表。しかし、「聯盟は事前に集会の許可を得ていた」「これは警察の憲法違反行為だ」という情報がネットで広まり、「みんなで警察署に抗議をしよう」というネットでの呼びかけを見た市民らが、日本時間19時に台北駅近くの警察署「中正一分局」の前に集結した。同23時30分の時点で1500人を超えている。 学生や市民らが出した、「中正一分局長・方仰寧氏の辞任」、「今朝の強制排除に対する謝罪」、「集会場所の返還」、「排除を指示した者の名前の公開」という四つの要求に対し、局長の方仰寧氏は警察署の前で「辞めろと命じられるならばそれに従う」と答えたが、市民らの怒りが収まる様子はなかった。さらに、警察と口喧嘩になった女性が警察署の中に連行されたため、群衆は女性の釈放を要求し続けた。そして同22時、局長の方氏は一連の行動を謝罪し、「上司に辞意を伝えた」と述べ、同聯盟の集会許可を再検討すると約束した。これを受けて、学生や市民らの大半が、前日まで学生らが占拠を続けていた立法院前に移動。警察の一連の行動について抗議の集会を開き、強制排除された同聯盟への応援を続けている。 現在、武装した警官400人が投入され、強制排除を行う可能性もあるようだ。警察が一部の車道を封鎖するなど、現場では、いまだに混乱が続いている。 (文責:TomoNews/台湾)