ポンピドゥー・センター傑作展 6月11日から
ポンピドゥー・センター傑作展が6月11日~9月22日まで、東京都美術館・企画展示室(上野公園)で開催される。 記者発表会が27日にフランス大使館公邸で行われ、同展のコンセプトや見どころなどが紹介された。同展では欧州最大の近代美術コレクションを誇る、フランス・パリのポンピドゥー・センターの所蔵品の中から、ピカソやマティスなどの巨匠をはじめ、日本ではあまり知られていない隠れた名作など、絵画、彫刻、映像、デザインなど多彩なジャンルから、選りすぐりの70点を鑑賞することができる。
同展の展示方法が斬新で興味深い。1906年~1977年までの1年ごとに1作家1作品ごとに展示する。作品の隣には作家の人物像や語った言葉を紹介する。会場構成を担当するのは、新国立競技場のデザイン・コンペのファイナリストにも選ばれたパリを拠点に活躍する建築家・田根剛さん。 「作品をアーティスト本人が語る展示構成にしました。時代を追いかけながら、アーティストと作品、作品と言葉、これまで見たことのない斬新な展示を試みました。伊田なる傑作への敬意ある挑戦です」と語った。
最も注目1935年の作品として展示されているのは、初来日のピカソの『ミューズ』。この作品には、室内にいる二人の女性が描かれている。一人は頭をテーブルの上にのせ眠っていて、もう一人は鏡に映った自分の絵を描いている。眠っている女性はピカソの愛人であったマリー=テレーズといわれている。 すでに妻・オルガとの仲は冷え切っていたが、ちょうどこの年、マリー=テレーズの妊娠が発覚し、離婚を申し出るきっかけになったという。この作品の制作後、ピカソは数か月間、絵を描くことをやめ、詩作にふけったそうだ。
同展の開室時間は午前9時30分~午後5時30分(金曜日は午後8時まで。入室は閉室の30分まで)、休室日は月曜日(ただし7月18日、9月19日は閉室)・7月19日、観覧料は一般1,600円(1,400円)/大学生・専門学校生1,300円(1,100円)/高校生800円(600円)/65歳以上1,000円(800円)。詳細は展覧会公式サイトにて。