阪神・近本 リーグトップ長打率6割!マルチ&二盗 再び借金1も甲子園快幕へ「全員で頑張ります」
「ヤクルト3-1阪神」(7日、神宮球場) 切り替えていけばいい。今季初の3連勝を狙った岡田阪神はヤクルトに惜敗。再び借金1となった。相手投手陣を打ちあぐんだ中、近本光司外野手(29)が右中間を破る適時三塁打を含むマルチ安打に二盗成功と奮闘。リーグトップの長打率6割と力強さを増した打撃が光っている。9日から今季初めて本拠地甲子園で広島と3連戦。頼もしい1番打者とともに、地元で仕切り直しといきたい。 【写真】佐藤輝 痛すぎる適時失策にベンチでヘルメットをたたいて悔しがる 最後に近本は大山とベンチから出てきた。三塁側のファウルゾーンを歩きながら、スタンドのファンから声援が届く。「ナイスバッティング」、「頼んだぞ」。2安打1打点、1盗塁と奮闘した切り込み隊長。自身の結果よりもチームの敗戦に厳しい表情を崩さなかった。 目の前のチャンスに勝負強さを発揮した。2点ビハインドの三回1死二塁。1ボール2ストライクと追い込まれながらも、ヤフーレが投じた146キロの直球を捉えた。「しっかり自分のタイミングで入っていくことができました」と、鋭いスイングから放たれた打球は右中間を真っ二つ。快足を飛ばして適時三塁打とした。 今季初のタイムリーを放ち、2号ソロを放った6日のヤクルト戦から2試合連続の打点をマーク。ここまで得点圏では結果を残せていなかっただけに「得点圏で今年打ってなかったので、1本出てよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 納得の一打は今シーズン2本目の三塁打だ。昨季は、セ・リーグで最多12本の三塁打を記録した。その長打力が今年は増している。ここまでの長打率は驚異の6割。ここまで41打席で23アウトの内、フライアウトが14個でゴロアウトはわずか4個だ。また、10安打中、2本塁打を含む5安打が二塁打以上の長打となっている。 何とか流れを引き戻そうと、バットと足でチャンスメークした。1点を追う五回2死。右腕が投じたツーシームを中前に運んだ。続く中野の2球目にはスタートを切った。今季2盗塁目となる二盗に成功。一打同点となる好機をつくったが、2死一、二塁から前川が二ゴロに倒れて得点を奪うことはできなかった。 4試合ぶりとなる複数安打。「その打席でやることをしっかりできたか、できなかったかなので」。結果よりも内容を求めた。 チームは接戦に敗れ、今季初の3連勝を逃した。前日に勝率を5割とし、初の貯金を狙ったが、再び負け越して借金1。9日からは今季初の本拠地・甲子園で広島との3連戦を迎える。「全員で頑張ります」と近本。聖地のファンの声援も糧に、勢いに乗る。 ◆長打率6割 近本の長打率・600は、・576の岡本和(巨人)、・500の中田(中日)ら長距離打者を抑えてリーグ単独トップ。近本の長打率は21年の・441がキャリアハイ。今季ここまで10安打のうち2本塁打、2三塁打、1二塁打と半数の5本が長打となっている。