「桜のトンネルを走る姿見せたい」地震で被災したローカル線「のと鉄道」全線復旧見通せず
北陸放送
能登半島地震で被害を受け、全線で運休が続くのと鉄道は29日朝、バスによる代替輸送を始めました。 【写真を見る】満開の桜の下を駆け抜ける「のと鉄道」 七尾駅と穴水駅を結ぶのと鉄道は、全線で運休が続いていて、一部の区間では復旧の見込みが立っていません。のと鉄道は、代行バスを七尾と穴水の間で朝と夕方の通勤・通学の時間帯に合わせて1日7往復運行し、29日朝は高校生らがさっそく通学に利用しました。 代行バスを利用した高校生 「いつもリモートで授業を受けていたから、友達と対面で会えるのがうれしい」 「親の送り迎えの負担が軽減して迷惑かけずに通える」 「水もまだ通っていないが、登校させてもらえるだけで感謝。平穏な日々が取り戻せつつあることに感謝」 代行バスは各駅近くの停留所に止まり、鉄道と同じ運賃か定期券で利用できます。 ■全長33キロのローカル線 約50か所に被害 七尾駅と穴水駅を結ぶ全長33キロの「のと鉄道」。通勤・通学の需要が乗客の7割を占める一方、七尾湾を望む風光明媚な観光路線としても人気です。 しかし今回の地震では、線路に土砂が流れ込むなど、国土交通省の調査でおよそ50か所に被害が見つかりました。 穴水駅ではレールが折れ、事務所が入る建物も立ち入り禁止となりました。 のと鉄道・中田哲也社長 「臨時の会議・打ち合わせをするときに使っている。鉄道の災害調査隊が入ったときも最後の調査の総括のときにはここで打ち合わせをした」 線路を保有するJR西日本が復旧工事を進め、2月中旬には七尾駅と能登中島駅の間で運転を再開する予定ですが、全線での復旧はめどが立っていません。 ■「桜のトンネルを列車が走る姿を見せたい」 のと鉄道最大の魅力といえば、春に咲き誇る沿線の桜。ホーム沿いに並んだ数十本の木が桜のトンネルを作り出す能登鹿島駅は「能登さくら駅」の愛称でも親しまれ、全国からファンが訪れる人気ぶりです。 中田社長 「なんとか桜のトンネルを、列車を走る姿を見せたい。社を挙げて頑張って、復旧に向かってまい進したい。不便をかけるが、今しばらく皆さんにはお待ち願いたい」
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