新NISAのスタートでグローバルバランスファンドは根付くか? 成長投資枠の対象として新規登録続く
投資収益非課税枠が1人当たり1800万円に拡大された新NISAがスタートした。この制度をきっかけに、新たに投資を始めようと考える人も少なくないだろう。また、この制度を通じて新たな投資商品を提案するという動きも投信会社や投信販売会社から積極的な情報発信も始まると考えられる。その中で、昨年末から年明けに目を引くのが成長投資枠の対象ファンドとして「グローバルバランスファンド」がセットで登録されている動きだ。これらは、世界の株式、債券、リート(不動産投信)などに幅広く分散投資して、想定されるリスク水準に応じて「安定型」「成長型」などいくつかの投資コースを設けている。資産を広く分散することによって安定的な運用成果を求める投資商品として、これまでも数多く設定され、企業型確定拠出年金の運用商品としては代表的な商品カテゴリーになっている。新NISAで一般の投資商品として市場で一定の人気を得られるのか注目されるところだ。
グローバルバランスファンドは、今年1月9日に成長投資枠の対象ファンドとして「グローバル資産分散投資ファンドAコース(安定)~Eコース(積極)」の5ファンドが登録された。1月5日は「楽天・資産アロケーション・ファンド(標準型)~(成長型)」の3本、2023年12月19日には「スタイル9(4資産分散・保守型)~(8資産分散・積極型)」の9本が登録されている。それぞれのシリーズによって資産分散の対象や方法は異なるものの、複数の資産に分散投資して、投資資産の組み入れ比率を変えることによってリスク水準の異なるポートフォリオをセットして提供している点では同じようなファンドのシリーズといえる。
「グローバル資産分散投資ファンド」は、日本株式、海外株式、日本債券、海外債券、日本リート、海外リート、コモディティ等に分散投資するファンドで、資産の配分比率を調整して、それぞれのコースの目標リスク水準を「Aコース(安定)」で年率5%、「Bコース(やや安定)」で7.5%、「Cコース(標準)」で10%、Dコース(やや積極)」で13%、「Eコース(積極)」で16%にしている。概ね3カ月ごとに資産配分比率を見直す。信託報酬率(投資一任事業者報酬を含む)は、年1.793%(税込み)。投資一任業者として証券ジャパンと投資一任契約を結んだ投資者(受益者)のみが購入できる。