過去13年の番組制作で一番カワイイと思った動物、超変わり種の世界遺産、そして鈴木亮平さんの登場・・・「世界遺産」プロデューサーが選ぶ「今年のベスト3」
ハプスブルク帝国の領土だったチェコは、その後社会主義国になった時代もあり、社会主義的価値観とは相容れない「王族の馬車を引くための白馬」を守っていくのがいかに大変だったか…馬車ではなく田畑を耕す馬鍬(まぐわ)を引いたりする使役馬として生き延びたといいます。歴史の荒波を越え、16世紀から450年以上続いてきたこと自体が心に残りました。 ■「番組の新たな形ができる」鈴木亮平さんが初登場した「屋久島」 3番目が、日本の世界遺産「屋久島」。鈴木亮平さんが番組ナビゲーターとして初登場した放送回です。とにかく現地での的確なリポートに「これは別格だ」と驚愕したことを覚えています。屋久島の最大の特徴は、巨大な花崗岩の島で土壌が薄いこと。 鈴木さんはそれを理解しているので、たとえば大雨の山中を歩いていて水流を見つけると、 「岩肌を流れていくだけなので、水が濁っていないですね」 と話し、その水を手ですくって澄んでいることをカメラに見せてくれるのです。 世界遺産好きであることは知っていましたが、深い知識と理解もあり、さらにそれをテレビ的に見せてくれる工夫までしてくれることに感じ入りました。 「この人を得たことで、番組の新たな形ができるのでは…」と思い、それまでなかった「番組ナビゲーター」という役割になってもらった次第です。番組的には、この鈴木亮平さんの参加が今年一番の出来事だったと思います。 その他にも「佐渡島の金山」が日本の新たな世界遺産に登録されたことや、2019年に火災にあったパリのノートルダム大聖堂の修復が進み今年12月に一般公開を再開したことなど、世界遺産をめぐるニュースがいろいろありました。こうしたことも番組で紹介していけたらと思っていますので、来年もご期待ください。 執筆者:TBSテレビ「世界遺産」プロデューサー 堤 慶太
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