【虎になれ】「内容悪い」相変わらず苦しい打線 奏功するか岡田監督の“ゲン担ぎ”
<阪神2-5DeNA>◇22日◇甲子園 ごく簡単に言えばスカッとしたいのだ。虎党は。前日から雨の予報で実際に途中から降ってきたこの日。それでも「それがどないした」とばかり、4万2608人で満員御礼の甲子園。その前で今季負けなしの左腕、DeNA東克樹に好投を許し、敗戦となった。 負けるのは仕方ない。相手のあること。だけど、なんだかパッとしない。負けても貯金は「2」。連覇へ向け、まずはいい位置に付けているはず。その割に妙にムードが重いのも事実。これはなぜか。そんな的を突いた質問が出たとき、指揮官・岡田彰布はズバリ答えた。 「内容が悪いからやろ」-。まさにその通りの試合だったのかもしれない。前日に4番復帰の大山悠輔が2回に先制ソロ。チーム自体、5月25日の巨人戦(甲子園)で渡辺諒が打って以来、12試合ぶり。これで乗れるかと思った。だが、そうでもなく、5回以降は2安打。結局、おなじみの「2点打線」に終わった。 独断でいわせてもらってパッとしないのは他にも理由がある気はした。メンバーだ。この日、これまでの主力打者のうち、右で森下翔太、左で佐藤輝明、前川右京が欠場。代わりに出たノイジー、豊田寛の右打者が音なしに終わった。 誰を起用するかは監督の専権事項だ。どうこうは言えないが、こういう結果になると、どうにもパッとしない印象は強くなってしまう。理想は主力、控え選手がともに争うように活躍することだろう。しかし正直、いまは打撃好調という感じの存在がいない。苦しいところだ。 内輪の話で恐縮だが、この日、動きがあった。指揮官・岡田彰布が「ゲン担ぎ」をする人なのは熱心な虎党なら知るところだろう。試合後の監督会見。まれに気分が乗らず、やらないこともあるが、基本、人気球団・阪神の監督は試合後、虎番記者の囲み取材に応じる。岡田も同じだ。 その場所、部屋も決まっている。だがこの日、突然、変更された。「向こう、暑いからや。こっちの方が涼しいてええやんか。ゆっくりできるしの。時間早いから1時間くらい(話すぞ)」。そう説明しながら以前の部屋にはないイスに座り、記者たちにも「座ったら?」。従ってゲン担ぎと言い切れば間違いかもしれないが、これまでを見るに付け、そんな気はする。とにかく、なんとか打線の浮上を期待したい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)