「韓国半導体工場」地域は共和党が支持基盤…「CHIPS法の無力化、容易ではない」
「トランプシーズン2」を控えて韓国半導体業界の緊張感も高まっている。最大の関心事は「CHIPS法(半導体支援法)」での恩恵縮小があるかどうかだ。 次期米国大統領に当選したドナルド・トランプ氏は候補時期にCHIPS法を狙って「悪い取引」と言及して、アメ(補助金)ではなくムチ(関税)を示唆した。このため業界ではCHIPS法の補助金や税額控除など予告された恩恵が縮小される可能性に神経を尖らせている。 7日、産業研究院のキョン・ヒグォン研究委員は「トランプ第2期は強い自国優先主義を前面に出して韓国など同盟国の支援を縮小して投資拡大のような要求条件を高める可能性がある」と中央日報に語った。ニューヨーク・タイムズ(NYT)などの外信によると、CHIPS法関連補助金計390億ドル(約5兆9600億円)のうち300億ドル以上に対して支給が予定されたが、米国ポーラーセミコンダクターを除いては補助金支給の確定を受けた企業はない。サムスン電子とSKハイニックスは米国に工場を作ってそれぞれ64億ドル、4億5000万ドルを受けることで予備取引覚書を締結して大規模な投資を断行した。バイデン政府任期内に交渉を終わらせようと企業が急ぐ雰囲気も感知される。ブルームバーグ通信はこの日、台湾TSMCが補助金関連の拘束力ある契約交渉を終えたと消息筋を引用して報じた。 ただし、米国の立場でもCHIPS法を無力化するなど急進的変化の可能性は低いというのが韓国内外の専門家たちの見解だ。梨花(イファ)女子大学経済学科のソク・ビョンフン教授は「サムスンとSKハイニックスが工場を作ることにしたテキサス、インディアナ地域は共和党が支持基盤」とし「トランプ政府もこの地域の民意をよく調べなければならない」と話した。米CNBCは専門家の言葉を引用し、「新政府がCHIPS法を撤回する可能性は低く、大部分は維持するだろう」と伝えた。 トランプ氏はすべての輸入品に10~20%、中国に60%以上の関税をかけるだろうと公約していた。関税のせいで中国製品の価格競争力が弱まれば韓国メーカーが反射利益を得る可能性がある。しかし韓国にとって好材料だけがあるわけではない。中国製コンピュータ・携帯電話・テレビなど完成品の米国輸出物量が減れば、韓国が中国に売る半導体やディスプレイなど中間材の需要も減少するためだ。産業研究院によると、韓国半導体の中国輸出比重は昨年基準55.4%で相変らず1位を占めている。 ただし、トランプ氏の発言が政治的修辞として強調されただけで、実現しにくいとの展望もある。7日、KAIST(韓国科学技術院)人工知能半導体大学のユ・フェジュン院長は「インテルなど米国半導体企業の最大の顧客は中国」としながら「両国は葛藤中にも多くのことをやりとりしている」と話した。米国の関税に中国が報復関税で対応すれば米国半導体産業にも打撃が大きいということだ。