世界一の超高齢社会が進む日本 2060年の平均寿命は何歳になる?
総務省が2016年10月発表した平成27年国勢調査確定値で、大正9(1920)年の調査開始以来、初の減少に転じた日本の総人口。人口減と同時に問題になっているのが、世界一進んでいる社会の高齢化です。日本の高齢化の現状と将来像はどのようになっているのでしょうか。 内閣府の「平成28年版高齢社会白書」をみていきます。
日本の高齢化率26.7%は世界一
白書によると日本の総人口は、2015(平成27)年10月1日現在、1億2711万人。そのうち65歳以上のいわゆる高齢者人口は3392万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は世界で最も高い26.7%でした(2位イタリア22.4%、3位ドイツ21.2%)。高齢者人口を男女別にみると、男性は1466万人、女性は1926万人で、男性対女性の比は約3対4となっています。 日本の高齢者人口は、1950(昭和25)年は総人口の5%を切っていましたが、1970(同45)年に7%を超え、約20年前の1994(平成6)年14%以上になるなど、増え続けています。一方で、生産年齢人口(15~64歳)は、1995(同7)年に8716万人でピークを迎え、2013(同25)年には7901万人になり、1981(昭和56)年以来32年ぶりに8000万人を下回っています。
2060年は2.5人に1人が高齢者
では日本の高齢化率は将来どのようになると推計されているのでしょうか。白書は2012(平成24)年に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」の出生中位・死亡中位推計結果を基にしています。 まず日本の総人口は2026(平成38)年に1億2000万人を下回り、2048年には1億人を割って9913万人、2060年には8674万人になると推計されています。高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった2015(平成27)年に3392万人、75歳以上となる2025年には3657万人に。今から25年後の2042年に3878万人でピークを迎え、その後は減少に転じる見込みです。 高齢化率は、総人口が減少する中で上昇し続け、2035年には33.4%で3人に1人が高齢者という割合に。2042年以降に高齢者人口が減少に転じても65歳以上になっていく人数が出生数を上回るために高齢化率は上がり続け、2060年には39.9%にまで増加。国民の約2.5人に1人は65歳以上の高齢者という社会到来を予想しています。