「成績優秀者は大阪学の研究員に」大阪検定10回目の開催
大阪の歴史文化の奥深さを再発見し、大阪の多様な魅力を探る「大阪検定」。今年10年目の節目を迎えた。全国津々浦々のご当地検定では、2番目に受験者が多い。受験しやすく全体の合格率が比較的に高いうえ、成績優秀者の一部は大学研究員の資格を得て、一歩踏み込んだ大阪学の調査研究に挑む。 【拡大写真と動画】大阪検定おもろい出題ポスター話題に JRなど95の各駅ごとに問題作成
大阪の歴史文化の奥深さを再発見
第10回「なにわなんでも大阪検定」が10月21日、大阪工業大学大宮キャンバスなど、大阪市内3か所の会場で実施される。今年のテーマは「大阪の万博」。2025年大阪万博の誘致実現に向け、機運を醸成して盛り上げようと企画された。 過去に大阪で開催された第5回内国勧業博覧会(1903年)、大阪万博(1970年)、花の万博(1990年)と、現在誘致活動中の国際博覧会に関する問題が、全体の10%程度出題される。府内の81駅で万博や地元関連のクイズを楽しむポスターを展示。WEB人気投票を実施するなど、啓発に余念がない。 従来からの検定公式テキストに加え、今回から大阪ほんま本大賞と同特別賞受賞作品も参考書となり、全体の1割ほど出題される。今年の参考書は大賞に輝いた山本功次著『阪堺電車177号の追憶』だ。
過去9回で延べ3万550人が受験
大阪商工会議所が主催し、2009年の第1回は5822人が受験。以降、受験者は減少傾向に。15年の第7回の2266人で底を打った後、一昨年3063人、昨年3335人と盛り返した。過去9回で延べ3万550人が受験し、1回平均の受験者は3394人。主なご当地検定では、京都・観光文化検定試験(京都検定)に次いで2位の好位置を維持している。 大阪は長らく阪神タイガース、お笑い、たこ焼きなど、三題噺めいたインパクトの強いイメージが全国的に先行してきた。だれにも親しみやすい物語である半面、大阪が奈良、京都と並ぶ古都であり、多様で重層的な歴史文化が受け継がれてきた事実を、大阪人もあまり知らない時代が続いた。 しかし、地域振興に取り組む企業を中心に団体受験が相次ぐなど、地元で働いたり暮らす人たちの大阪再発見意欲の高まりが、検定人気を下支えていると考えられる。
申し込み締め切りは6日
前回の全体合格率は89・9%と、比較的高い。一方、最難関の1級合格率に限ると2・7%と、超狭き門。13年から府立大学21世紀科学研究センター大阪検定客員研究員制度を導入。1級合格者から選抜された研究員が、自身で大阪に関するテーマを設定し、研究成果を発表してきた。 受験しやすく、奥行きも深いのが、大阪検定の特色だ。申し込み締め切りは6日。検定担当者は「得意分野を中心に公式テキストや参考書で勉強し、楽しみながら大阪の魅力を学んでください」と呼びかけている。詳しくは大阪検定の公式サイトで。