米国債利回り急上昇、インフレ懸念が主因ではない=FRB議長
[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、足元の米国債利回りの急上昇について、トランプ次期政権の積極財政によるインフレへの懸念とはあまり関係がなく、経済成長が強まるとの予想を反映している面が大きいとの認識を示した。0.25%ポイントの利下げを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で質問に答えた。 利下げ局面において国債利回りは低下傾向をたどるのが普通だが、9月の利下げから今回の追加利下げまでの期間には、夏場以来の高水準に上昇した。 こうした動きは懸念すべきかとの質問に対しパウエル氏は、利回り上昇はインフレ期待の上昇を主因としておらず、「成長が強まり、おそらくは下振れリスクが弱まった」との見方を反映しているようだと述べた。 また、利回り上昇などの金融環境は「しつこく、大幅な」動きであれば政策決定の際に考慮するが、現段階ではそうではないとした上で、「注視している」と付け加えた。 インフレ期待を示す物価連動国債のブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が上昇していることについても、「長期的なインフレ期待が高水準でアンカーされるようなら」懸念するが、そうなってはいないとして過度に懸念しない姿勢を示した。