藤井聡太撃破の新叡王、師匠と賞金の話は「まだ」 名人&竜王奪取時は半分渡す約束も…
将棋の第9期叡王戦五番勝負第5局で藤井聡太七冠(21)=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=から初タイトルを奪取した伊藤匠新叡王(21)は熱戦から一夜明けた21日、甲府市内で会見に臨み「少しずつ喜びはこみ上げてきたかなと思います」と喜びをかみしめた。 会見場に現れた伊藤はやや疲労を感じさせるとろんとした目で花束を受け取った。昨夜は、たくさんの祝福の連絡が届き、「なかなか深く寝付くことはできなかった」と振り返った。 タイトルホルダーとして初めて揮ごうしたのは「孤髙」の二文字。棋士になった頃からよく揮ごうしている字だといい、「自分の中でしっかり信念をもって、ぶれずに高みを目指していくというふうに解釈している」と揮ごうの理由を答えた。 師匠の宮田利男八段(71)とは2大タイトル名人、竜王のタイトルをとったら賞金を半分渡す約束をしていた。今回については「その話はまだしていないんですが」とにやり。「師匠と直接会ってお話ししたいなと思います」と交渉の余地を残した。 初タイトル獲得の地・山梨は、伊藤にとって忘れられない場所になるはずだ。「果物がおいしいという印象があります。なにかお土産に買って行けたらな」。新たなタイトルホルダーはまた次の地へ、歩みを進める。(瀬戸 花音)
報知新聞社