百貨店夏商戦、前年超え 香林坊大和、高額品が好調 金沢エムザ、改装で客数増
●物産展など催事の集客も効果 金沢市の百貨店で、夏商戦が前年を超える売り上げとなった。香林坊大和の8月は高級ブランド品の引き合いや催事の集客が好調だった。金沢エムザも7、8月に行った改装の効果があり、親子連れを中心に来店が増えた。両店とも売り場の中心に変わった秋物の売り込みを強めるとともに、催事も好調な流れを継続するため、人気の物産展などで一層の集客を図る。 【写真】全面改装した生活用品売り場=7月、金沢市の金沢エムザ 香林坊大和の全館売り上げは、猛暑で暑さ対策商品がよく売れた昨夏を超え、コロナ前の2018年8月と比べて1割ほど伸びた。特に高級ブランド品などの高額品は訪日客の来店が増えたことで昨年8月の1・5倍に。化粧品も人気だった。 8階で話題性ある催事を例年以上に連続して開催したことも来店を後押し。8月は人気アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」展やハワイフェア、ガンダムのプラモデル店などを展開したことで、同じフロアのレストラン街の売り上げが1割ほど増えるという効果もあった。 9月は12日から8階で各地のグルメ商品が集まる「秋の全国うまいもの大会」、25日からは地下1階で老舗和菓子屋「とらや」の期間限定店を予定する。 親子連れの集客に力を入れたのは金沢エムザだ。7階の室内遊具施設「ザ・キッズ」を8月10日に6階全フロアにも増設したほか、エムザのマスコットキャラクター「エムにゃん」を活用した子ども向けイベントを開催した。その効果が若い世代の衣料品の販売を押し上げ、特に子ども服は1割ほど増加した。 7月に全面改装した4階の生活用品売り場も、暑さ対策の商品を中心に好調だった。観光客の来店も多く、工芸品や食品を扱う1階の「黒門小路」も前年を超える売り上げを記録した。 9月は、18日から北海道グルメが集結する物産展を開催するほか、オータムフェアとしてファッション雑貨や生活用品の秋向け商品を売り込む。 ●富山大和、横ばい 食品、飲食は増加 富山市の富山大和では、8月の売上高が前年同月と比べて横ばいで推移した。担当者によると、昨年に改装した地下食品売り場をはじめ、レストランなど飲食関係は約10%増だった。 今年に入り、生活用品フロアをてこ入れし、4日には4階子ども服売り場に新ブランド「ズッパ・ディ・ズッカ」がオープンした。担当者は「改装した売り場は結果が出ている。館内の周遊につなげたい」と話した。