子宮体がん、術後に脈管侵襲陽性 再度手術か化学療法かを選ぶ基準は がん電話相談から
「ちなみにG3では、子宮体部から卵管・卵巣を循環する血管周囲のリンパ路を経て、骨盤の上方に位置する腹部大動脈リンパ節に直接転移することも珍しくありません」
――毛細血管内にがんが侵入していると、遠隔転移のリスクも上がりますか。
「子宮体がんⅠ期のうちG1、G2の5年生存率は約95%、G3では75%ほどです。G1、G2で根治手術をし、必要に応じて化学療法をしていても約5%が再発し死亡します。この理由は定かではありませんが、現状では認識できないさまざまな理由(遺伝子異常、がん細胞が生着しやすい局所環境、免疫能力など)が関連するのでしょう。血管への侵襲も強いリスク因子の一つです。仮に毛細血管への侵襲があれば、術後1~2年後に肺や肝臓に転移することもあり、患者や主治医は衝撃を受けます。そのため化学療法を受けることをお勧めします」
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