赤飯+まんじゅう…主婦の知恵か“失敗”か 農家のごちそう、今はお店で 羽生の「いがまんじゅう」
五月女も「自分も周りの人たちに育てられた。いがまんじゅうを通じて力になれれば」。地域の食文化を残したい自身の熱い思いを重ねる。(敬称略) ■菓子というより食事 いがまんじゅうは埼玉県だけのものではない。「まんじゅうや餅に、もち米を付けた菓子」は全国的にあり、地域によって色も形も違う。 あんこを米粉で包んだまんじゅうの表面に赤や黄、緑色に着色したもち米を付けるのは愛知県のいがまんじゅう。ひなあられのような色どりで、西三河地域ではひな祭りに食べる風習がある。 広島県や山口県のいが餅もピンクや黄、緑色といったカラフルな米をあしらい、石川県のえがらまんじゅうはクチナシで黄色く染めた米を餅にまぶす。ほんのり緑色の餅に白い米が乗り、あんこの中に栗が丸ごと一粒入るものも。 上品で洗練された他県のいがまんじゅうに比べると、埼玉は色といい、大きさといい、やややぼったい感じも受ける。五月女は「愛知のいがまんじゅうは江戸文化の薫りがする。埼玉は菓子より食事という感じ。日持ちさせる必要もないから、昔は砂糖も使わなかったのでは」と話す。