総裁選 みんなで渡れば怖くない【山本浩之アナコラム】
【ヤマヒロのぴかッと金曜日】 自民党総裁選が始まった。多くの国民にとって投票権があるわけではないが、次の日本の首相を選ぶ大切な選挙、だそうだ!…ふざけるなッ!! 脱税政党が何をいけしゃあしゃあと騒いでいるのか。メディアも同様、なぜこれまでと変わらぬ選挙報道を続けるのか、理解に苦しむ。 「今は何より経済を立て直すことが第一」「いつまでも政治とカネばかり言っても何も進まない」。また例によって、ある御用記者がほざいてた。何をぬかすか。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で国民の怒りは頂点に達したままだ。 神戸学院大の上脇博之教授が自民5派閥の政治資金収支報告書を調べ上げ東京地検に告発。昨年暮れ、東京地検特捜部による事情聴取が明るみに出たことから、自民党議員による裏金づくりが次々に発覚した。その後の展開はご承知の通りである。 いつから、誰の手で、どのように行われていたのか、いまださっぱり分からないばかりか、反省を口にしながら成立させた改正政治資金規正法はザルもザル。旧文通費の透明化は見送り。企業団体献金もそのまま。政活費の使途の公開は10年後。もう怒りを通り越して笑けてくる。アホとしか言えない。 それでも、総裁選にあたり徹底的に党改革をする姿勢に期待が持てるならまだしも、議員票をアテにする候補者達の口からは気の抜けたビールのような話しか聞こえてこない。 誰か一人くらい熱のあるヤツは居ないのかとたまたまSNSを見ていたら、青山さんがほえてる。参議院議員の青山繁晴さん。付き合いが始まったのは約20年前。主張や思想に違いはあれど共に仕事をした経験から言わせてもらえば、彼ほど私心なく地位や立場を超えてモノを言う人はいない。今の腐りきった自民党には彼のような人材の活用こそが必要なのだ。 自民党員獲得数3年連続で1位を誇る彼が他のメディアに無視される中、思いの丈を語ってもらおうと今週月曜日の「ぴかッとモーニング」にご出演いただいたが、党内からの圧力で推薦を申し出る議員の引きはがしに遭い総裁選出馬が絶望的だったのか、心なしか元気がないように感じられた。もちろん、それでめげるような人ではないが。 あらためて言う。今回、自民党は大罪を犯した。政治の大本は税である。ここをごまかしてはならない。ましてや、税にあえぐ国民を横目に集団で脱税行為をしておきながら、首だけすげ替えて中身を刷新したかのようなまやかしの総裁選など、ちゃんちゃらおかしい。いずれ総選挙で強烈なしっぺ返しを食らえばいいのだ。(元関西テレビアナウンサー) ◇山本浩之(やまもと・ひろゆき) 1962年3月16日生まれ。大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、関西テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、情報、報道番組など幅広く活躍するが、2013年に退社。その後はフリーとなり、24年4月からMBSラジオで「ヤマヒロのぴかッとモーニング」(月~金曜日・8~10時)などを担当する。趣味は自家菜園