【ふくしま創生臨時支局・只見町】まきで地域振興 施設に専用ボイラー 間伐材活用運営コスト減
福島県只見町は森林資源のまきを生かした地域振興に力を入れる。新たな取り組みとして、町内の宿泊施設「季の郷湯ら里」と隣接する温泉施設「むら湯」に、町産のまきで湯を沸かすボイラーを整備する。これまでに比べ運営コストを2割弱減らすことができ、まき材を確保するため間伐を進める森林育成、化石燃料使用削減などの効果を見込んでいる。湯ら里などでの取り組みを皮切りに、今春整備したまきステーションを生かして町内の一般家庭や公共施設でのまき利用を促し、循環型社会を実現する町としてアピールする。 町は湯ら里の敷地一角に182平方メートルのまきボイラー棟を整備し、湯ら里用に4台、むら湯用に1台のまきボイラーを設け、まきを備蓄するための金属ラックを50台ほど置く。現在使用している灯油式ボイラーも一部併用する。町は通年議会9月会議にまきボイラー整備費などとして2億7534万円の予算案を計上し、可決されている。来年の完成を予定しており、完成次第、稼働する。
現在は灯油代などとして年間1800万円の運営費がかかっている。まきをくべるための人件費を考慮しても、まきボイラーを併用することで運営費は300万円ほど圧縮できると見込んでいる。 まき活用で見込む地域振興のイメージは【図】の通り。町内の94%が森林となっている町にとって間伐材の有効活用が課題になっており、間伐材をまきにすることで資源を有効活用できる。まきステーションではまき用の木材の乾燥を順次進めている。町内では既に100軒ほどがまきストーブを使っており、町は将来的に公共施設でのまきボイラー、町民世帯でのまきストーブの利用を促進し、湯ら里などと同様のまき消費システムをつくることで熱資源の地産地消を進める。