密造酒を飲んで30人超が死亡 インド南部タミル・ナードゥ州
ビルプラム、インド、6月21日 (AP) ― インド南部タミル・ナードゥ州で、密造酒を飲んだ少なくとも34人が死亡、数十人が病院に搬送された。地元メディアが6月20日、報じた。 地元メディアが州当局の話として伝えたところによると、34人はメタノール入りの酒を飲んで死亡したという。 事故が起きたのは同州のカラクリチ地区で、密造酒を飲んだ100人以上が地元の病院で手当を受けたが、重篤患者の状態が変化することから、死者数は今後増えるものとみられている。 この緊急事態に対処するために、周辺地区から救急車、医師、専門家らがカラクリチ地区に派遣されている。 政府関係者によると19日、密造酒を飲んだ数人が嘔吐、腹痛を訴えて入院したことから、警察の捜査が開始され、関係者が逮捕された。また、事故の発生を未然に防げなかったとして、監督官庁の責任者に処分が下された。 政府直営店の銘柄酒を購入できない貧困層が、密造酒を飲んで死亡する事故はインドではよくあることだ。 密造酒は、しばしば農薬などの化学薬品を混入して"効き"を高めているが、密造業者は税金を払わず、膨大な量の粗悪品を貧困層に安価で販売するため、莫大な利益を生む産業にもなっている。 2022年には東部のビハール州で、無許可で販売された汚染酒を飲んだとされる30人以上が死亡した。 また、同年初めにはグジャラート州で、変質した酒を飲んで少なくとも28人が死亡し、2020年にはパンジャブ州で、汚染された酒を飲んで少なくとも120人が死亡した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)