愛子さまが明治神宮に参拝 ご愛用の「11粒の真珠のブローチ」と清廉な白のドレスで捧げた祈り
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが10日、明治天皇と昭憲皇太后を祀る明治神宮に初めて参拝した。明治天皇の妻である昭憲皇太后の没後110年の節目にあたり、前日には両陛下、上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻が参拝している。この日の愛子さまは、清らかさを象徴する白の参拝服と帽子にご愛用の真珠の宝飾品を身に着け、明治神宮で静かに祈りをささげた。 【写真】愛子さまご愛用「ミキモト」と話題の真珠のブローチはこちら! * * * やわらかな春の光が注ぐなか、白い参拝服に身をつつんだ愛子さまが、明治神宮の南神門に到着した。 一般の参拝者の歓声に、ほほ笑みとともに会釈を返すと、目線を前方に戻して静かに境内を進んでいく。 おはらいを受けて身を清めると、本殿にむかい深く拝礼。玉串を捧げて、再び一礼した。 愛子さまは、ハリのある絹の生地で仕立てられた参拝服である白いロングドレスと帽子、手袋をお召しだった。 長年パリコレで取材を続けたファッション評論家の石原裕子さんによれば、愛子さまのロングドレスは、採寸して仕立てる際に用いる「原型」のデザイン。つまり、もっともシンプルなデザインのドレスなのだという。 ■29万8千円のブローチ シンプルなドレスだけに、愛用する真珠の宝飾品が美しく映える。この日の愛子さまは、真珠のネックレスとイヤリング、そして白い参拝服に真珠をあしらったブローチがよくお似合いだった。 流れるような曲線を描くホワイトゴールド(白金)に11粒の真珠があしらわれたこのブローチは、3月27日の神武天皇陵(奈良県)へ参拝や、昨年5月に天皇陛下と鑑賞した春季雅楽演奏会でも着用していたものだ。天皇陛下と鑑賞した雅楽演奏会の際には、ブローチの向きを変えて雰囲気に変化をつけていた。
このブローチと同じデザインと話題になっているのが、東京・銀座の宝飾大手「ミキモト」の商品。オンラインショップで、およそ29万8千円で販売されていた。 ミキモトといえば、宝飾品5点で制作費2800万円といわれる佳子さまのティアラの制作元。皇室とは縁の深いブランドだ。 ミキモトの広報担当者は「(愛子さまのブローチが弊社の商品であるかは)お答えは差し控えます」と話すものの、デザインを見る限り、非常に似ている。 ■上質で飾りのないドレスだから格調高い そして、愛子さまの真珠の装身具を引き立たせているのが、シンプルそのものの参拝服だと、石原さんは言う。 「粒のそろった真珠のネックレスは、飾りも襟もない丸い首回りのデザインだからこそ美しく映えています」 上質な絹の布地をたっぷりと用いたドレスは、豊かさを感じさせ、格調高い仕立になるという。 一見、シンプルに見えるロングドレスも、ウエストの部分にデリケートで細かなギャザーを入れているため、スカートがきれいにふくらんでいるのだという。 「愛子さまがお召しのドレスは、生成り(きなり)がかった優しい白です。洋服の原点の色ともいえる白、そして余分な装飾デザインのないロングドレスがよくお似合いです」 参拝服をお召しになる意味を理解しているからこそ、このドレスを堂々と着こなすことができている。日本の古典文学を熱心に学ばれるなど勉学を積み上げた結果、「威厳」のある着こなしにつながっているのではないか、と石原さんは話す。 この日は入社した日赤での勤務を休み、成年皇族として参拝した。仕事と公務の両立はスタートしたばかりだが、4月23日には春の園遊会もひかえている。 新生活に慣れるまでは無理をせず、春の日差しのようないつもの笑顔を見せてほしい。 (AERA dot.編集部・永井貴子)
永井貴子