古民家改修、一棟貸し宿 きょう市之瀬にオープン―南伊豆移住の農家夫妻
南伊豆町市之瀬に17日、築80年以上の古民家を活用した一棟貸しの宿「農ある暮らしの宿 古民家 天地(あめつち)」がオープンする。オーナーは2015年に東京都から移住し、「自然農園日本晴」を営む欠掛隆太さん(45)・奈々さん(42)夫妻。工作やマリンレジャーなどが楽しめるオプションも用意し、2人は「宿泊を通して地域住民や自然と触れ合ってもらい、移住促進、地域活性につなげたい」と思いを語った。 夫妻は都内の会社に勤めた後、同町の里山に魅了され、農業と宿の開業を前提に移住。同農園で年間約40品目の野菜を育てながら宿の候補地を探し、21年に町外に住む所有者から古民家を購入した。 建物は約100平方メートルの木造平屋で、夫妻は「清水建築」(市之瀬)の清水粂夫代表ら地域住民と協力して清掃、改修した。古き良き古民家の風情と里山暮らしを体感してほしいとの思いから、元々あったいろりやまき風呂を再生し、新たにまきストーブやアンティーク照明を備えた。バーベキューなどが楽しめる約150平方メートルの前庭もある。 地域の魅力を体感してもらえる実践型・長期滞在型の宿を目指し、有料のオプションは移住や就農の相談、地元作家を講師に招いた木工ワークショップ、シーカヤックツアーなどを準備した。 隆太さんは「人口減少などでさびしくなった地域を盛り上げながら、移住者、農業者を増やしていきたい」、奈々さんは「豊かな時間を過ごしてもらい、大事なものや時間を見つめ直す機会になればうれしい」と話した。 最大10人が宿泊でき、料金は1~4人までで1泊税別5万円から。5人以降は1人につきプラス8千円で、連泊割引もある。設備資金などを募るクラウドファンディング(CF)も開始した。詳細は同宿ホームページを参照。
伊豆新聞デジタル