いったい何人救った? オコエの値千金打で巨人ミスミス帳消しの大逆転劇生んだ
◆JERA セ・リーグ 巨人9―4広島(12日・東京ドーム) 巨人・オコエ瑠偉外野手が、まさに値千金の逆転タイムリーを放った。結果的に6回は打者11人7得点の猛攻で4連勝となったが、オコエがあそこで打っていなければ、どうなっていたか分からなかった。 【動画】オコエ勝ち越しタイムリー 2ー4の6回、無死から萩尾匡也外野手と佐々木俊輔外野手の「新1&2番コンビ」が連打。一、二塁としたが、ここで3番・門脇誠内野手が初球から送りバントの構えを見せるが、初球ストライクを見逃し2球目もバントファウル。結局、スリーバントを試みも三塁封殺となり、好調の「岡本&坂本」の前で送れなかった。 ジャイアンツは開幕から送りバントのミスが響いての敗戦が目立っていた。この門脇のバント失敗で「またか…」と反撃ムードが一度はしぼんだ。かに思えたが、岡本の四球で満塁となり、坂本の押し出し死球でまず1点差に。しかし、ここで代打・丸佳浩外野手が初球を簡単に打ち上げ二飛。スタンドからは再びため息がもれた。 そんな負の流れの中で飛び出したオコエの2点打。バットの先っぽだったが、食らいついた結果、打球はイレギュラーなバウンドとなり、広島の遊撃・小園のグラブをかすめて中前へ抜けた。「きれいなヒットじゃなくてクシャクシャでも何でも良かった」という執念が生んだ千金打だった。 この一打がチームの嫌な雰囲気を一変させ、その後の猛打爆発につながった。一番ホッとしたのは、ベンチの門脇だっただろう。いや、スリーバントのサインを出した阿部監督だったかもしれない。結果的に5回4失点で降板していた戸郷翔征投手の黒星も消えた。そして何より、激しい外野争いの中、自分自身を救う一打になった。 オコエは8回の打席で、無死一塁から進塁打となる一ゴロを放った。2軍落ち時の課題とされていた逆方向へのチーム打撃もアピール。センター争いを勝ち抜くのはこの男かもしれない。
報知新聞社