「シャインマスカット」が高くて買えない! 500円くらいで売ってる「白ブドウ」とどう違う? 皮ごと食べられるなら、あまり違いはないの?
種がなくて皮ごと食べることができ、甘みが強いシャインマスカットは近年人気が高い果物の1つです。とはいえ、店頭に並ぶシャインマスカットは高価なため、なかなか買えないという人も多いでしょう。 一方、シャインマスカットと同じような色をした輸入の白ブドウは手頃な価格で販売されています。そこで本記事では、シャインマスカットと白ブドウはどのような違いがあるのかを紹介します。
シャインマスカットとは
シャインマスカットは、「安芸津21号」に「白南」を交配して育成した黄緑色のブドウ品種です。平成18年に品種登録されました。 農林水産省の令和2年特産果樹生産動態等調査によれば、全国の栽培面積は2280.7haで、生食用ブドウの中では巨峰に次いで2番目に広く栽培されるようになっています。 栽培面積が最も大きいのは長野の639.7ha、2番目が山梨の608.7ha、3番目が山形の227.2haです。令和2年から見て10年前の平成22年の栽培面積は256.4haでしたので、10年間で栽培面積が約8.9倍に広がりました。 長野と山梨で全国の半数以上の栽培面積を占めています。粒の形は短い楕円(だえん)形で黄緑もしくは黄白の果皮、果実の大きさは大です。酸味が少なく甘味が強く、渋みはほとんどありません。マスカットの香りがあり果汁が多いのが特徴です。シャインマスカットは6~10月頃市場に出回ります。 東京都卸売中央市場統計月報によれば、令和5年9月の1kgあたりの平均価格は1636円でした。令和4年9月は1kgあたり1766円でしたので、価格は少し安くなったといえます。また、令和5年1~9月の中でも9月は平均価格が安値でした。
輸入の白ブドウとは
シャインマスカットとよく似た輸入白ブドウでよく出回っている品種はトンプソン・シードレスです。トンプソン・シードレスはアメリカで誕生したブドウで、日本にはアメリカを始め、チリやオーストラリアなどから輸入されています。 粒の形は長楕円形で黄緑色の果皮、果実の大きさは中くらいです。種がなく皮ごと食べることができ、程よい柔らかさで締まりのある果肉は酸味が少なく甘みが強めな特徴があります。生食の他、レーズンの原料としても使われるブドウです。 トンプソン・シードレスはオーストラリア産が1~5月、チリ産が2~5月、アメリカのカリフォルニア産は9~11月に流通します。トンプソン・シードレスが店頭に安く並ぶのは11~2月です。 ブドウの輸入関税率は季節によって異なり、3~10月は普通関税率の17%が適用されますが、11~2月は国産のものが少なくなるため関税率が7.8%と低く設定されています。農林水産省の農林水産物輸出入情報(令和5年8月分)によれば、1kgあたりの輸入ブドウの平均価格は約527円でした。