〈北九州・中学生2人死傷〉資産家一族“ボンボン”だった平原容疑者(43)逮捕前は“ゴミ屋敷”に引きこもり…3日連続で「カツ丼」を注文
3日連続で「かつ丼」を注文
そして平原容疑者は逮捕前日の12月18日水曜日、近くの蕎麦屋に出前を頼んでいた。男性店主(65)はこう言いながら首をすくめた。 「いや、冗談でなんだけどさ『あの人が犯人じゃないの』って話をしてたんだよね。それくらい異様な雰囲気だったから。出前を頼んできたのは今週の月曜日が初めてで、その時はざるそばとカツ丼。翌日の火曜日もざるそばとカツ丼。そして逮捕前日の水曜日はごぼう天うどんとカツ丼、それにおにぎり2つを出前で頼んできた。 いつもより多いのは夜食のつもりだったのかもしれないし、本人なりの最後の晩餐だったのかもしれない。頼むのはいつも昼間で、最後の日も昼間だったけど多めだったから夜食に回すのかなって思ったんだ。出前の電話もボソボソと小さい声でしゃべっていたみたいだけど、俺が出前を持って行った時も一言も話さない。目も合わせないで無言で受け取り、財布からお金を出して渡してくる。 こちらから『じゃあ大将、器だけ外に置いて出しておいてください』と声かけても、無言でうなずくだけ。ただ、外の様子を伺ったりとか気にしたりとかそういうのはなかったな。料金は1500円くらいで最後はそれにおにぎり代をプラスしたから1700円ぐらいだったかな」 最後の出前を注文する際、平原容疑者は「メニューを持ってきてほしい」と頼んだという。服装は決まってトレーナーやスウェットパーカーなどの部屋着風だった。 「部屋の中は暗くてあまりよくは見えないんだけど、ゴミ袋が5、6個積まれて腰の高さくらいまでになっていて、何で捨てないんだろうとは思ったよ。あとは靴も玄関に散乱していた。 逃走犯が黄色いサンダルを履いていたって報道があったから、黄色いサンダルがないかなと一応確認したけど、それはなかった。メニューが欲しいってぐらいだからウチの常連になってくれるのかなとも思ったけどね」 そして受け取りに出てきた平原容疑者の様子はいつもに増しておかしいときがあったという。 「逮捕前日だけどその日はオロオロというか様子がいつもよりおかしかった。ビール瓶を片手にお盆を受け取ろうとして何度もビール瓶を落としちゃ自分で拾うというのを繰り返していた。 目の焦点も合ってなくて、酒が多少入っていたと思うよ。出前で頼んだ物はいつも綺麗に全部食べて外に器は出してあったよ。怖いのは怖いんだけどいわゆるヤクザっぽいのとは違う不気味な怖さだったな。 パッと見は建設系で働いてるのかなって思ったけど。家の敷地内にバーベキュー道具やドラム缶が置いてあったから従業員でも集めてやったりするんかなって思った。実際に捕まるとやっぱり許せないって気持ちになるよ。ウチにも同じ年代の孫もいるしね」 何不自由なく暮らせる資産を受け継いだボンボンが、不特定多数の客で賑わうファストフード店で中学生の男女を殺傷した動機はなんなのか。年の瀬の小倉のざわつきはまだ、収まりそうにない。 ※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: shueisha.online.news@gmail.com X(Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班