「本来4番を打てる打者ですけど」侍ジャパン井端弘和監督が牧秀悟を6番で起用するワケ…プレミア12“連覇のキーマン”に挙げた佐野恵太の役割とは
佐野恵太が語る「自分の役割」とは
DeNAの一員として牧、桑原将志外野手とともに、シーズン終了後もクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージからポストシーズンもフル参戦。日本一に輝いた日本シリーズから休む間もなく代表に合流してきた1人だ。 CSファーストステージの阪神戦では第2戦の3ランを含む9打数4安打と大暴れしたが、ファイナルステージと日本シリーズでは少し当たりが止まった状態で、そのまま代表に合流。当初はベンチスタートだったが、韓国戦で栗原が死球を受け、次戦の台湾戦では「5番・指名打者」で先発。第1打席に「あわや」と思わせる右飛を放つと、8回の第4打席で大会初安打となる中越え二塁打。キューバ戦では「8番」に入って先制タイムリーを含む2安打と井端監督が語るように、バッティングの状態は上がってきている。 「3番・左翼」で先発したドミニカ共和国戦での三塁内野安打を含めて放った4安打は、いずれも逆方向への当たり。「左方向にいい当たりが出始めてきているのは、いい兆しだと思う」という監督の言葉に、本人も頷く。 「逆方向へのヒットというのは、僕の中での調子のバロメーター。そういうヒットが出始めたというのは、調子が上向きな傾向かなと思います。いい当たりも増えてきているし、感覚としても上がってきている」
2つ目のクリーンアップが機能すれば…
遊撃に左の源田壮亮内野手を使うか、右の紅林弘太郎内野手を使うかで、佐野の打順は7番か8番に入ることになる。いずれにしても牧の後ろを佐野を軸に固めることで、下位打線に2つ目のクリーンアップとなる得点装置を作る。ここが機能すれば2点目、3点目と一気に相手投手陣を攻め崩す攻撃パターンが完成することになるはずである。 「代表への選出もそうですし、そうやって起用してくれる井端監督の期待に応えたいという思いは強いですね」 こう語る佐野はあくまで打線の中の1つのポジションとして自分の役割をこう語る。 「下位に入るなら、まずは下位から上位に打線がつながるように。もしクリーンアップがチャンスメイクをしてくれたら、しっかりランナーを返せるように。何より打線が線になれるように、与えられた役割をこなしていきたいと思います」 台湾での4連戦を終えて19日に帰国したチームは、1日の調整期間を挟んで再び21日の米国戦から4連戦の過密日程が待っている。 投手を中心にした守りの野球は侍ジャパンのベースのスタイル。ただ中継投手陣を中心に、4連戦は投手の疲弊度もかなり上がってくるのは確実だ。だからこそ取れるときにきっちり得点を重ねていく。それは何が起こるか分からない国際試合の鉄則でもある。 「抜ける試合は1個もないと思っている。みんなで最後の力を振り絞っていけたらと思っています」 連覇への道は恐怖のダブルクリーンアップからの打線爆発にかかっている。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
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