トランプ次期大統領の「つぶやき為替介入」警戒すべきタイミングとは?
「つぶやき介入」が発動されるタイミングとしてもうひとつ注意したいのが、1月4日に発表予定の12月ISM製造業景況指数です。一般的にドル高は製造業の苦境を連想させますから、そうした際は特にこの指標が注目を集めます。ISM製造業景況指数は、雇用統計に次ぐメジャーな指標で製造業の景況感を映し出す最も重要な経済指標の一つです。それ故、市場参加者のみならず多くの政策担当者に注目されていますので、この指標が悪化した際はそれなりのニュースとなります。最近でこそ好況・不況の分かれ目とされる50を上回って推移していますが、2015年後半から2016年前半にかけてはドル高の影響もあって落ち込みが目立っていました。12月ISM製造業景況指数が落ち込んだ場合、トランプ次期大統領の逆鱗に触れることが懸念されます。しばらくは「つぶやき介入」に注意が必要です。 (第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一) ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。