土屋太鳳「噛めば噛むほど味が出てくるような作品」 『海に眠るダイヤモンド』にかける思い
10月20日より放送が開始されるTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』に出演する土屋太鳳のインタビューコメントが公開された。 【写真】杉咲花、『海に眠るダイヤモンド』の撮影は「毎日アルバムをめくるような気持ち」 本作は、昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ、70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大な物語。1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京が舞台となる。 一人二役で主演を務めるのは、民放連続ドラマ主演は2011年放送の『11人もいる!』(テレビ朝日系)以来13年ぶりとなる神木隆之介。脚本に野木亜紀子、監督に塚原あゆ子、プロデューサーに新井順子と、『アンナチュラル』(TBS系)、『MIU404』(TBS系)、映画『ラストマイル』を生み出してきたチームが再集結した。 土屋が演じるのは、端島にある鷹羽鉱業の職員の娘・百合子。一見自由奔放に生きてい るように見えて、過去の出来事からコンプレックスを抱えているという役どころだ。 土屋は演じる百合子について、「百合子は時代の象徴的な傷を負っているキャラクター。たくさんの方々が同じ境遇で苦しまれてきたのだろうなと切に感じながら演じています」とコメント。 また、過去に共演経験があり、今回は幼なじみの一人として朝子を演じる杉咲花については「出演が決まった際はすごくうれしかったです。杉咲花ちゃんとは、花が14歳くらい、私は17歳くらいの頃に出会っているので『たおっち』と呼んでくれているほど。なので、幼なじはこういうことだなって思いながら、お互い現場ではのほほんと話して過ごしています」と語った。 土屋太鳳(百合子役)コメント 台本を読んでの印象 愛情と願い、祈りが感じられました。また責任感や覚悟が、物語をぐっと支えているよう な印象です。華やかさはもちろん、ユーモアのさじ加減も素晴らしくて。台本を読むだけ でそれぞれの役に感情が入っていく感覚です。 実際に端島を訪れた際には、「ここに人が住んでいたんだな」と人間のパワーを肌で感じ ました。テーマは一見壮大のように思えますが、当時端島に住んでいた方々にとっては日 常でもあります。そこには家族愛があって、友情があって、仕事の苦しさがあって……、そ れは今の私たちと同じ。なので身構えずに観ていただけたらと思います。 演じる百合子の魅力 まだ多くは話せないのですが、百合子は時代の象徴的な傷を負っているキャラクター。た くさんの方々が同じ境遇で苦しまれてきたのだろうなと切に感じながら演じています。心 に傷を負っているからこそ、人一倍明るく生きている。普通は他人に自分の感情をそんな に見せようとしないと思うのですが、百合子は自分の大切な人には心を開く、とても人間 らしくて愛情深い女の子です。朝子(杉咲花)に少し意地悪をしてしまう一面もあるので すが、好きの裏返しなのではないかなと思いながら演じています。 主演・神木隆之介の印象 初めてお会いしたのは17歳くらいのときで、私自身も神木さんが声優を務めたり、出演し た作品を観て育ってきた1人です。たくさんのキャリアを積まれている方なのに、変わら ずすごくナチュラルな佇まいでいてくださって。実は、さっきも神木さんに「どうしてそ んなに自然体なの?」と聞いちゃいました(笑)。おかげで撮影現場の空気は柔らかくて 。もちろんシーンに対しての緊張感はありますが、一緒に難しいニュアンスの演技に挑む ときは、神木さんから「こういう言い方はどう?」と提案してくださることもあるんです。 共演者の印象 幼なじみを演じるのは、これまで共演したことがある方々なので、出演が決まった際はすごくうれしかったです。杉咲花ちゃんとは、花が14歳くらい、私は17歳くらいの頃に出会っているので「たおっち」と呼んでくれているほど。なので、幼馴染はこういうことだなって思いながら、お互い現場ではのほほんと話して過ごしています。 賢将役の清水(尋也)くんは、いい距離感で賢将としていてくれています。多分みんな本当はおしゃべりなのですが、学生のようなわちゃわちゃした感じはなく、ほどよく静かで「みんな大人になったね」という感じ(笑)。昔の撮影のときとは雰囲気がまた違います。 各地でのロケ撮影について さまざまなロケ地にお邪魔させていただいているのですが、久しぶりにこんなに長く広い空を見ているなぁと。自然を見ることができるのでとても心が豊かになりますし、この前は撮影帰りに花火が上がっているのを見ることができました。 美術部の皆さんの魂がこもったセットでは、時代を感じる1つひとつの小物がすごく可愛いので、そのあたりもぜひ注目していただきたいです。 そして、どんな環境での撮影でも、監督の皆さんの演出に助けられています。塚原監督は、役の感情の流れを止めずに走らせてくれたり。『チア☆ダン』のときもお世話になった福田亮介監督は、作品の世界にズドンと入れ込んでくださる方。こんな素敵なチームの輪の中に入れていただいて、すごく光栄だなと思いながら撮影を重ねています。 視聴者へのメッセージ 20代最後の年に日曜劇場に戻ってくることができて、とても光栄ですし、うれしい限りです。 百合子は物語後半にかけてよりバックグラウンドが見えてくるような役どころ。たくさんの方々が感じてきた思いを、今の時代の人たちに百合子を通して心のバトンを渡せると思うと、すごく緊張しますし、プレッシャーもあります。でも、そのために自分はこの仕事をしてきたのかもしれないとも感じています。 70年の時間軸の中に、さまざまな要素が詰まっていて、観れば観るほど、噛めば噛むほど味が出てくるような作品になっていますので、ぜひじっくり楽しんでいただけたらうれしいです!
リアルサウンド編集部