[山口県]山口の市道「ゾーン30プラス」開始 県内初、道路構造で速度抑制 通学路安全確保」
車の最高速度を時速30キロに規制する「ゾーン30」に加えて、物理的な道路構造で速度抑制を図る「ゾーン30プラス」の運用が8日、山口市大内矢田北の大内小学校周辺の市道で本格的に始まった。2021年に千葉県八街市で児童5人がトラックにはねられて死傷した事故を受け、警察庁と国土交通省が全国で導入を進めている新たな対策で、県内では初めて。 【写真】「ゾーン30プラス」を知らせる道路標示=8日、山口市大内矢田北 通学路としても使用される同校周辺の市道には、路面から10センチ程度高く隆起させてえんじ色にカラー舗装することで、物理的に車の速度を出させない構造になっている「スムーズ横断歩道」と、意図的に高低差をつける「ハンプ」をそれぞれ1カ所、「ゾーン30プラス」を示す路面標示を2カ所、道路の車道部分を局所的に狭くする「狭窄(きょうさく)」を3カ所に設置した。 同日は同市内の多くの小中学校で新学期が始まったことに合わせて、山口署や県警の警察官ら約10人がスムーズ横断歩道などの周辺で見守り活動も行った。大内小周辺の市道は道幅が狭いことにもかかわらず、通勤時間帯の交通量が多く、幹線道路の抜け道として使われることもあるという。同校の澄川昌男校長は「以前から児童の登下校時の安全には最善の注意を払ってきたが、このような対策が講じられることはとてもありがたい」と話す。 県警によると、「ゾーン30」は県内48カ所に設置されており、約8割の地区で人身交通事故の発生が抑制されているという。「ゾーン30プラス」の県内の他地域への導入は現時点では未定。同署の兼安圭二交通課長は「速度制限に加えて、物理的な制限があることによって、多くのドライバーが制限速度を守り、登下校中の子供たちや地域住民の安全確保につながれば」と期待する。