WONK × 9m88 × jo0jiライブレポ 共通言語は音楽、台湾と日本をつなぐ美しい調和
WONKは新曲披露、アンコールで3組が共演
ラストを飾るのはWONK。彼らの登場と共に、会場の熱がもう一段階、高くなったように感じた。2020年のアルバム『EYES』から「Rollin’」でスタートし、観客は音に合わせて波のように揺れる。そのまま2曲目「Fleeting Fantasy」が始まると、一瞬にして穏やかな空気が会場に流れる。曲の雰囲気がガラリと変わっても違和感は無く、心地良い空間が広がっていた。 今回のライブでは、リリース前の新曲を聴くことができた。2023年にリリースされたシングル「Passione」の後に披露された楽曲は、静から動へ駆け上がるプレイヤーの熱量や息遣いを感じるものだった。固唾を飲んで見守っていた観客から、次第に歓声が湧き上がり、最後は拍手と大歓声が鳴り響く。そして、そのまま「FLOWERS」へと続くはずが、なんと機材トラブル。演奏を途中で中断し、コーラスやホーン無しで、メンバーが奏でる楽器とボーカルのみで披露されたが、その様子はまるでメンバーが観客を入れずに内々で演奏しているようで、個人的には非常に楽しかった。楽曲での緊張感と「FLOWERS」でのトラブルが、ある意味で緩急になっていたようで、観客も滅多に経験できない出来事を楽しんでいた。 アンコールでは、9m88が再登場。昨年リリースのコラボ曲「Snowy Road」を披露。海外アーティストとコラボし、その曲をお互いの国で披露したいというWONKの願いが実現した。機材も無事回復し「Snowy Road」の美しいイントロのストリングスと2人の柔らかな歌声が聴こえると、会場は冬の煌めきに包み込まれた。日本と台湾で離れている2人がビデオ通話で日常を伝え合うMVも心温まる。そして最後に、jo0jiも加わり3組で「For Your Precious Love」を披露。それぞれの個性が光りながら調和する、美しい光景だった。 WONKを軸に実現した、世代や国の異なるスリーマンライブ。音楽が繋げた新しい出会いを、堪能できた素晴らしい夜だった。 --- WONK x 9m88 x jo0jiライブ配信 2024年5月8日(水)23:59までアーカイブ視聴
Yukiko Ishii