ちょっぴりリッチな世界をのぞき見 すしコースに真珠 体験・映えに関心
テレQ(TVQ九州放送)
円安で日本を訪れる外国人観光客、そして起業などで稼ぐ若者。そんな人が関心を持つちょっとぜいたくなモノやサービスがあります。その様子と背景をのぞいてみました。 福岡市・中洲にある料亭、「てら岡」。あるユニークなメニューの提供を始めました。 赤が映えるカウンターに客が着席、コース料理がスタートです。まず料理長が手にしたのは貝。殻を開けた貝を客の前へ運ぶと。客はスプーンで貝の中身を探ります。 客 「いたいた。ワンダホー」 すしを食べるだけでなく、九州産のアコヤガイから真珠を取り出す体験をセットにしました。 アメリカからの留学生 「白い真珠が取れました。すごく素敵です。初めてです。目の前で自分の真珠を取ることは初めてです」 取り出した真珠はまだくすんでいるので、交換サービスも。 料理長 「真珠を磨いた物になります」 客 「すごい。きれい。ありがとうございます」 すしに、磨いた真珠のお土産付きで価格は3万5000円。このお値段に客の反応は。 フランス人客 「料理だけだと高いと思うよ、でも体験を含めると価値があるね」 会長の寺岡さんは最近の客の様子をみて、ほかにない価値があればちょっと高めのサービスが求められていると感じています。 てら岡 寺岡直彦会長 「良い思い出になればとインバウンドの人も日本の人も含めてぜひ体験してもいたいと思う」 一方、こちらはアート作品を展示・販売する「みぞえ画廊 福岡店」。まず案内してもらったのが。 みぞえ画廊 阿部和宣専務 「1956年にピカソが74歳の時に描いた」 ピカソが自分の娘を描いた名画。その値段は…14億円。想像を絶する価格です。 もう少し身近なところでは、福岡出身で2023年に102歳で亡くなった野見山暁治の作品。それでも400万円近いです。 さすがにここまで高い品に簡単には手は出ませんが、数十万円の作品を購入する客層に変化があるといいます。 「だんだん若い人もアートに興味、関心を持つようになって(客の)年代や世代の幅が広がっている」 店を訪れる40代までの若い世代の顧客が5年で2倍に増えているというのです。 Q.なぜ若い世代に人気 「若い経営者たちがアートを買ったりコレクションしたり、オフィスに展示したりをSNSで発信している。それを見てアートって格好いいというイメージがある」 アート作品を個人で囲い込むのではなく、自らをアピールする手段にしているのです。 たとえばこんな作品も。 「(描かれた)人物はAIを使って生成された架空の人物。(Q.AIを使う理由は)身近な人を書いていたが、その人物に対する感情が絵を描くときに邪魔になると感じた」 佐賀大学出身の30代の画家が描いたもので22万円です。 阿部さんが代表を務める展示販売会「アートフェアアジア福岡」でも、売り上げは伸びつつあります。 体験や映える消費におカネを費やす人が増えているようです。
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