「非難するなら私を」J1アビスパ福岡・長谷部茂利監督 ダービーに引き分け11戦勝ちなし ブーイングも前向く勝ち点1
◆明治安田J1第32節 鳥栖0―0福岡(28日、駅前不動産スタジアム) 試合後にゴール裏から起きたブーイングに熱くなった。福岡にとっては勝利だけが求められる「九州ダービー」でゴールを奪えずに引き分け。リーグ戦は4戦連続無得点で、2020年に就任してから最長のリーグ戦11試合勝ちなしとなった。 ■報道陣に囲まれ監督退任について語る【写真】 「勝ち点1を積んだという考えと、大事なゲームで勝てなかった気持ちが入り交じっている」。長谷部茂利監督は包み隠さず語ったが「非難するなら私を非難してほしい。1点も取れなかった。ただ、裏返せば1点も取られなかった。ゴール前で体を張った選手たちの守備は素晴らしかった」とかばった。 長谷部監督にとって、鳥栖とのリーグ戦でのダービーは21年の初対戦から一度も負けていない。「サポーター同士が戦っていて熱く、試合も盛り上がってこっちも燃える。最後まで強い気持ちを継続して挑もう」と選手に呼びかけ、GK永石拓海は好セーブのたびに福岡サポーターを鼓舞した。前半早々に警告を受けた田代雅也も恐れずシュートコースに飛び込んでブロック。長谷部監督は「勝ち点を取るのがどれだけ大変なことか。今日のプレーを見てもらったら分かります。手を抜いている選手は誰もいません」と強調した。 4試合連続無得点の重い課題から目を背けているわけではない。前半22分には紺野和也、同31分には岩崎悠人がペナルティーエリア付近からミドルシュート。後半20分には右クロスを途中出場のシャハブ・ザヘディが頭で合わせ、試合終了間際には途中出場の佐藤凌我がドリブルで切れ込んでシュートを放った。そのすべてが枠の外。総得点28はJ1最少だ。 「GKに触られない隅を狙うのが当たり前だけど、枠外に行くのではなく、枠内、もしくはポストに当たるぐらいのギリギリを(狙って)。もう少し本数を増やすようにもっていきたい」と長谷部監督。勝利を渇望しているのはチームも同じ。わずかな差を修正し、ホームに帰る次戦こそ勝ってみせる。(末継智章)