警察葬が営まれ、殉職した警察官２人を悼んだ=2024年9月17日午後2時18分、山形市内、安斎耕一撮影

　最上地域などを襲った7月の豪雨で、救助要請を受けて山形県新庄市の現場に向かう途中に流され殉職した新庄署の佐藤颯哉警部（29）と玉谷凌太警部補（26）=ともに2階級特進=の警察葬が17日、山形市内で営まれ、遺族や警察関係者ら約350人が参列した。 【写真】元球児の2人は「努力家」　山形豪雨で現場に急行した警察官を悼む声 　鈴木邦夫山形県警本部長は「これからの県警に欠かすことのできない、前途有望な人材を失ったのは痛恨の極み。2人の崇高な精神を大切に、職務に邁進（まいしん）する」と追悼の辞を述べた。 　殉職した2人は2017年4月採用の同期だった。同期生代表として弔辞を読んだ永井涼さんは「2人と励まし合いながら学んだことを鮮明に覚えている。二度と会えないのは信じられないが、2人の意思を受け継いでいく」などと語った。 　殉職した2人は7月25日深夜、大雨警戒でパトロール中、救助を求める110番通報を受けて新庄市本合海の現場へ向かい、パトカーごと流され行方不明になった。その後発見され、死亡が確認された。 　2人が乗っていたパトカーにはライフジャケット（救命胴衣）が装備されていなかった。県警は当時の出動や装備の状況について確認を進めている。県は９月定例議会に、警察官1241人分のライフジャケットや水難救助時に使うヘルメットを追加配備するための費用約1400万円を補正予算案に計上した。（安斎耕一）