京都の街に“なんちゃって舞妓”が出現中 本物と見分けるポイントとは?
美しい舞妓さん 節度を持った対応を
多くの観光客の人は本物の舞妓さんの姿をカメラに収めたいのでしょうが、前述したように、彼女たちが衣装を着けて歩いているときは仕事中ですから話しかけたり、一緒に写真を撮ってくださいと頼んだりして、仕事の邪魔をしてはいけません。もちろん舞妓さんも客商売ですからそれほどあからさまに迷惑がることはないでしょうが、たまたま道を歩いていて出くわしただけの我々は彼女にとってはお客様でもなんでもありませんから、節度を持った対応が大切だと思います。 また逆に舞妓さんの衣装を着て変身している観光客の人にも心がけてほしいと思うことがあります。それは誰もが持っている舞妓さんのイメージを大切にしてほしいということです。と言っても本物の舞妓さんのような歩き方や立ち居振る舞いをしてほしい、といった難しいことを望んでいるわけではありません。少なくとも舞妓さんの格好をしている時に街中でものを食べながら歩いたり、スマホを見ながら歩いたりするのはやめてほしいと思います。 舞妓さんの姿というのは美しいものです。一度ぐらいはその美しい姿に変身してみたいという気持ちもよくわかりますし、それ自体は良いことだと思います。ただ、舞妓さんや芸妓さんは花街を支える人々であって、京都の文化の一部であることは確かです。文化というのは多くの人によって理解され、支えていくことで伝えられていくものだと思います。舞妓さんに変身する人たちも本物の舞妓さんを見て楽しむ観光客の人たちもその一人だということを忘れないようにしたいものだと思います。 (経済コラムニスト・大江英樹)