〔国内〕2024年10月の災害を振り返る
2024年10月に発生した国内での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。 ※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。 ●10月 【その他】宮崎空港で不発弾が爆発 全国5空港で緊急調査が開始 [被害]なし 2024年10月2日08:00頃、宮崎県宮崎市の宮崎空港で、滑走路につながる誘導路に埋まっていた不発弾が爆発した。この爆発によって誘導路には長さ約7m、幅約4m、深さ約1mの穴が開き、周辺には数百mにわたって舗装の破片等が飛び散っているのが確認された。誘導路に穴が開いた影響で宮崎空港の滑走路は閉鎖され、計87便が欠航となったが、穴の埋め戻しなどを行ったのちに同日19:30から滑走路の運用が再開された。この日の爆発の前までに国内線4便がこの誘導路を通過していたが、けが人などはいなかった。 自衛隊の調査によると、爆発したのは第二次世界大戦中にアメリカ軍が投下した250kg爆弾とみられている。宮崎空港は旧日本軍の基地があったことから空爆を受けており、これまでにも多数の不発弾が発見されている。不発弾の発見は全国の空港でみられるもので、今月だけでも沖縄県の那覇空港と宮古空港でそれぞれ発見、処理されている。那覇空港では今年に入ってから計8個の不発弾が発見されている。 こうした事態をうけて、国土交通省は旧日本軍の施設があった仙台・松山・福岡・宮崎・那覇の5つの空港で不発弾の緊急調査を行うこととした。16日の夜に行われた宮崎空港での調査では、今回の爆発現場付近の地中から金属が埋まっていることを示す反応が見つかった。20日未明に路面を掘り起こす作業が行われたが、不発弾ではなく大量の砂鉄であったことが確認されたため、20日朝から通常通りの運用が開始された。 【事故】首都高速湾岸線で多重事故 1人死亡 [被害]死者1人 負傷者12人 2024年10月19日07:30頃、東京都大田区の首都高速道路湾岸線西行きの多摩川トンネル内で、渋滞で停車していた軽乗用車にトラックが追突し、合わせて7台が関係する玉突き事故となった。この事故で、追突された軽乗用車に乗っていた男性1人が心肺停止の状態で病院に搬送され、その後死亡が確認された。このほか、追突したトラックの運転手を含む12人が負傷した。 トラックの運転手は「速度メーターに気を取られていた」と話していたといい、警察が詳しい状況を調べている。 【自然災害】宮崎県で線状降水帯による記録的大雨 [被害]死者2人 家屋全壊1軒 家屋一部損壊2軒 床上浸水73軒 床下浸水227軒 2024年10月21日から23日にかけて、高気圧の縁を回る湿った空気や対馬海峡を通過した前線を伴った低気圧に向かって湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となった。この影響で、宮崎県では線状降水帯が発生して記録的な大雨となり、3日間の総雨量は所によって450mmを超えた。この大雨で、県内では死者や家屋の浸水などの被害が相次いだ。 雨は特に22日から23日にかけて強まり、22日夕方には南部平野部に線状降水帯が発生。日南市付近では1時間に約120mmの雨量を解析し、記録的短時間大雨情報が発表されたほか、日南市内では、車に乗っていた70代男性が車ごと川に流され、2日後に河口近くの海岸で死亡しているのが見つかった。 また、22日夜遅くから23日未明にかけては、北部平野部で雨が強まって延岡市付近では1時間に120mm以上の雨量を解析し、記録的短時間大雨情報が発表された。延岡市古江では1時間雨量114.0mm、3時間雨量224.5mmと観測史上1位の記録を更新した。この延岡市では、住宅1軒が土砂崩れに巻き込まれ、住民の50代女性が死亡した。土砂崩れが発生した現場は土砂災害特別警戒区域に指定され、崩れた土砂を止める擁壁なども整備されていたが、今回の土砂崩れは対策を行った場所よりもさらに上部の斜面で発生したとみられている。
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