【『No No Girls』レポート#1】ちゃんみなプロデュースのガールズグループオーディションが始動「今までNoって言われてきた人たちを救いたい」
アーティストに求める、3つの“No”
そんなちゃんみながアーティストに求めるものは、以下3つの“No”にある。 ーーーーーーー ・No FAKE(本物であれ) =自己表現(自分の経験や視点から見えているもの、自分が本当に感じている事実を伝えること) ・No LAZE(誰よりも一生懸命であれ) =自己理解(自分と向き合うことを怠るな) ・No HATE(自分に中指を立てるな) =自己肯定(自分を信用する、私なんてと思わずに一生懸命生きる) ーーーーーーー 特にNo LAZEについて「めちゃくちゃめんどくさい作業だけど、ここを怠けずに自分と向き合ってほしい」と話す。SKY-HIも「自己理解めちゃくちゃエグい作業なんだけど、それをやった人にしか出ない声はあるよね」と共感した。 確かに、ちゃんみなの声色はそのパートごとにまったく異なり、一曲の中にさまざまな感情をあらわにして聴き手の心を揺さぶり乱す。この表現の幅広さは人生経験から生まれた感情を歌に乗せているからに違いないが、“感情”という形のないものを表現に落とし込むまでに、彼女もまたこの“3つのNo”と繰り返し向き合ってきたのだろう。 「ガールズグループをやりたかったら来てください」。ちゃんみなの力強い言葉に引き寄せられ、オーディションには自分の人生を切り拓こうとする女性たちが国内外から集まった。応募総数は7000通以上。その中で1次審査通過者はたった250人だという。
「First Love」で魅せる対象的なふたり
2次審査は全国3都市の会場で行われた。厳しい審査を通過した夢追い人たちが続々と会場に足を運ぶ。 中にはオーディション自体受けたのが初めてだという候補者も。「ずっと昔からアーティストというか、パフォーマンスする人になりたい夢はあったんですけど、自分の実力とかビジュアルとかに自信がなくて、そういう機会があっても全部自分で受けるのをあきらめてしまうことがあって……」と声を震わせたのは、YUKINOだ。 彼女は課題曲に宇多田ヒカル「First Love」をセレクト。ピンと張り詰めた緊張感が漂うなか、彼女が歌い出すとその場の空気がガラッと変わった。 先ほどの弱気な表情から一変。裏声と地声をひらひらと使い分けながら力強く切ない歌声を響かせる。まるで自信のなさから解放されたかのように輝きを放つ彼女。これにはちゃんみなもSKY-HIも驚きが隠せない。歌い終えた彼女にちゃんみなは、「こういう人に来てもらいたかったです。次も会えたらうれしいです」と微笑んだ。 いくつかある課題曲でも「First Love」は、候補者によって表現の仕方がまったく異なるのが興味深い。中でも、ちゃんみなから「R&Bに革命が起きそうな歌声」と言わしめたのはFUMINOだ。ウィスパーボイスが特徴的な彼女。歌い方にも聴き手の感情をすべて受容しようとするクッションのような柔らかさがあり、YUKINOとはまた違う魅力があった。