桂葵のおかげで知ったストリートの世界(ストリートバスケ・ZOOS 鶴見彩)
第47回目を迎えた5on5トーナメント・ALLDAYは規模を拡大し、計4日間にわたって開催された。5月25・26日には、久しぶりにガールズトーナメントも開催。国籍・年齢・性別不問のALLDAYは、これまでにも女子チームを集めたトーナメントを行ったことはあったものの、あくまでも単発開催。今回はWリーグ経験者や3×3のトップ選手などが集まり、事実上の初代女王の座を争うこととなった。 特に豪華メンバーを揃えてみせたのが、桂葵率いるZOOSだ。ZOOS Tokyoとして国内初登場を飾ったJBA 3×3 JAPAN TOURの際は当然ながら4人しか登録できなかったが、5on5のALLDAYにはJAPAN TOURのメンバーにも入った今野紀花(Wリーグ・デンソー)と小野寺佑奈(同・トヨタ自動車)のほか、永田萌絵(前デンソー)や大学界のホープ・田平真弥(立教大)といった実力派が集結。試合には出なかったが、Wリーグ新人王のイゾジェ・ウチェ(シャンソン化粧品)らもZOOSのタンクトップを着てベンチ入りした。ZOOSは順当に勝ち上がり、ファイナルでは3×3日本選手権で桂とともに優勝した浅羽麻子、大橋実奈らを擁するDifferentを27-17で下し、初代女王の称号を得ている。 これらのメンバーが、桂の広い人脈によるものであることは言うまでもない。Wリーグを引退し、その後3×3に本格転向した鶴見彩もその1人。桂とは中学時代から面識があり、何度も対戦してきた間柄だそうだ。 「中学のときは葵ちゃんが東京で、私が埼玉で選抜に入って、関東で対戦するときは絶対にいたんです。15歳くらいの頃からなので、もう16年。彼女は彼女の道を行って、私はWリーグに進んで……3×3に最初に誘ってくれたのが彼女で、それが3年くらい前なんですけど、それ以外は同じチームになったことは一度もなくて」 鶴見はもちろんALLDAY初出場。昨年度の埼玉県成年国体チームの活動で5人制のプレーに一区切りをつけた鶴見にとっては、久しぶりのオールコートだった。 「昨日オールコートプレスって言われた瞬間に『そうだ、オールコートだ』って(笑)。めっちゃ久しぶりでアジャストするのも難しかったし、『この感じ久々だなぁ』で昨日は終わっちゃったんですけど、今日はだいぶ5人制のマインドになって、みんなの良いところを引き出せたらいいな、その中で自分の色も出せたらいいなと思って来ました。久々にこの長いコートでバスケットして、ドリブルする時間もめっちゃ長いなと思って、新鮮でした(笑)」 そのわりには、ハンドラーとしてボールプッシュする際はチームメートやディフェンスの位置を把握しながら、的確な状況判断でオフェンスをコントロールしていた。傍から見れば、Wリーグ引退までひたすら積み重ね、培われてきた感覚は失われていなかったが、そのプレーぶりが客観的にどう見えているのかは、本人にはなかなか気づきにくいものだ。 「日立ハイテクのときから応援してくださってる方も昨日今日と何人か来てくださって、ボールキャリーの感じを久々に見て、その姿が懐かしくて良かったって言ってくれました。それって自分の一つの特徴だったのかなって思いましたね」