「モハ103」修復着々 旧三山線車両、西川で作業と見学会
かつて寒河江-西川間を走った、旧山形交通三山線(さんざんせん)の木造車両「モハ103」の修復作業体験と見学会が8日、屋外展示されている西川町睦合の「月山の酒蔵資料館」で行われた。 モハ103は1926(大正15)年に三山線の第1号車両として造られた。だが同線は74(昭和49)年に廃止。資料館を運営する町内の設楽酒造店先代社長が車両を引き取り、76年から屋外展示してきた。 近年は老朽化が進み、2018年冬には積雪で屋根の一部がつぶれるなど保存が困難になっていた。そこで三山電車保存会(古沢勝広会長)が今年1月、修繕費を募るクラウドファンディング(CF)を行い1500万円余りを集めた。現在は町内の建設業者が修復中で、作業体験と見学会は保存会がCFの返礼事業として企画した。 作業体験の内容は塗装で、県内外から鉄道ファンら約20人が参加。車体下部を赤茶色に塗り、見学会では内部の座席、床や窓、機材などを興味深く観察した。
兵庫県姫路市の団体職員大野英明さん(68)は「初めての体験で楽しかった。木造車両が残っているのはすごい」。古沢会長は「車両が好きな人に来てもらい、車体がきれいになるのは素晴らしい。今後の情報発信にも力が入る」と語った。10月19日には、同所で修復作業の完成式典を行う。