「ロマンス詐欺」で3億円超を荒稼ぎした男が逮捕…!レクサスを乗り回しマリファナで毎晩パーティ…!現地取材で見た「ナイジェリア人詐欺師」の異様すぎる「成金生活」
詐欺師に憧れる若者たち
事情に詳しい在日ナイジェリア人が語る。 「ナイジェリアにはヤフーボーイになる若者がまだまだ多い。彼らはハッシュ・パピーのような成功者に憧れている。楽して稼げる『イージーマネー』が欲しいからだよ。スマホやパソコンでメッセージのやり取りをして、投資話を持ち掛ける。それだけで大金が手に入れば、真面目に働くのがバカらしくなるよね。そのカネは夜のクラブや酒代に注ぎ込まれるだけさ。彼らがナイジェリアのイメージを悪くしているんだ」 私は昨年2月、日本からナイジェリアの最大都市ラゴスへ飛び、ヤフーボーイたちに取材した。その多くは大学生を中心とする若者たちで、ロマンス詐欺などでアメリカやヨーロッパなど先進国に住む外国人から小金を騙し取っていた。 犯行の動機としては、「途上国の貧困」という問題で片付けられるほど単純ではなかった。彼らには罪悪感もなく、生活費を稼ぐための「副業」のようなノリでスマホを操作していたのだ。その一部が大物を釣り上げ、ハッシュ・パピーのような「成金」に化けるのである。 ある成金ヤフーボーイに接触した時のことだ。 そこはラゴス州中南部にある高級住宅街で、彼は真っ白なレクサスを乗り回していた。ジョセフ(26歳・仮名)というその若者は、ドレッドヘアで耳には金色のピアスをはめ込んでいた。黒いTシャツに短パンという小綺麗な格好は、さながら黒人ラッパーのようだ。 案内された家のリビングは、天井までの高さが5メートルはあろうかという広々とした空間だった。白い壁には大型テレビが埋め込まれ、天井からは虹色のライトが光を放っていた。ナイジェリアの庶民たちとは明らかに異なるランクの生活をしていた。 「この家には仲間4~5人と一緒に住んでいるんだよ」 ジョセフは訛りの強い英語でそう語った。
マリファナでパーティ
私たちの会話を監視するように黙って耳を傾けていた仲間の若者たちはもっといかつく、太い腕にはタトゥーが入っていた。ジョセフはロマンス詐欺を少しだけやったことがあると言ったが、いまは暗号資産への投資で稼いでいるという。メディアの人間である私に、加担している犯罪の全てを説明するはずもないから、仮にロマンス詐欺を仕掛けている外国人がいたとしても詳細は明かさないだろう。 ジョセフは話しながら、マリファナ(大麻草)を水に溶かした黄色い液体を口にしていた。このほか「ELLE(エレ)」と呼ばれる、同じく大麻入りのソフトドリンクも夜のパーティーなどで飲んでいるという。 「エレは1人で飲むもんじゃなくて友達と一緒に飲むんだ。あなたも好きになるよ。ハッピーになれるから!」 そう言ってジョセフたちは愉快そうに笑った。 私がジョセフの家を訪ねたのは平日の午後だ。暗号資産がやはり主な稼ぎなのか、彼らは普通に働いているようには見えない。あるいは、オンライン詐欺で外国人から騙し取ったカネも少しは足しにしているのだろうか。