ダルビッシュ移籍先にツインズ浮上。“元女房役”が「質問を受けた」と証言
ドジャースからFAとなったダルビッシュ有(31)の去就が注目を集めている。ウインターミーティングで代理人のジョエル・ウルフ氏は「優勝を狙えるチーム」と条件を出したが、世界一となったアストロズ、古巣のレンジャーズなど10球団がダルビッシュ獲得に興味を示して水面下で接触している。 その中でツインズが浮上してきた。 地元紙の「セントポール・パイオニアプレス」が報じたもの。 ツインズのサッド・レバインGMはダルビッシュの獲得を「最重要事項」と断言しており、同紙は「レバインGMは、レンジャースのGM補佐として、ダルビッシュのメジャーでの最初の5年間をともにした。2人は、このオフ数度、話を交わしている」と伝え、レンジャース時代にダルビッシュの捕手を2シーズン(12試合で防御率3.21)務めた“元女房役”で、現ツインズのクリス・ジメネス捕手(34)が、最近、ダルビッシュと2回電話で会話したことを報じた。これは重大証言だ。 ジメネスは、今オフFAとなったが、ツインズとの再契約を望んでいる選手。 そのジメネスは、同記事の電話取材に対して「(ダルビッシュは)球団フロントの考え方にとても興味を持っていた。感謝祭の休みに電話をかけてきて球団について色々と尋ねてきたんだ。サッド・レバインGMのことはとてもよく知っているが、コーチや選手、そして“ルール”について質問してきた」とコメントしている。 “ルール”とはチーム内の掟のようなものだ。 「テキサスでは多くのルールに縛られ、彼は、そのいくつかは望んではいないようだった。ダルビッシュには『ツインズでのルールといえば、路上でドレスシューズは必要ないということかな?』と話したよ。彼は、『もし履きたかったら?』と聞き返してきたので、『お前は、ダルビッシュ有だ。なんだってできるさ』と答えたよ」と、会話の内容を明らかにした。 さらに「彼は、街についても尋ねてきた。彼は何度も来たことあるが、コミュニティーについても説明したよ。サポート環境はテキサスに似ているとね。ただ(ミネソタ)では何かが変わろうとしているような感じを受けるとも伝えたよ。それはワールドシリーズに出たダルビッシュが一緒にやりたいと考えているものだろう。やり返すため、もう一度チャンスをつかみたいはずだ」と、ダルビッシュとの会話から感じ取ったものを語った。 ツインズは今季、ア・リーグの中地区で2位だったが、85勝77敗でワールドカードゲームへ進出、惜しくもヤンキースに敗れたが「優勝を狙えるチーム」の条件は満たしている。 またジメネスは、ダルビッシュとレバインGMの2人の結びつきについて、「GMはダルビッシュの大リーグ移籍をスムーズに行い、トミージョン手術からの長期間リハビリや2016年の復帰を通じて、さらに関係は強くなっていた」と説明。レバインGMはレンジャース時代に日本語を学んだスタッフの一人だったという。 ジメネスは「ツインズにとってダルビッシュの獲得を目指す上で、GMがゲームチェンジャー(カギ)になる可能性がある」とも語った。ツインズは、ダルビッシュ獲得を睨んでか、最近になり、日本人トレーナーの阿部正道氏をアスレチックトレーナー補佐としてダイヤモンドバックスから雇用したが、ジメネスは、「そのことも驚きではない」と言う。 ツインズでは、過去に2014年12月にフィル・ヒューズに3年4200万ドル(約46億2000万円)の大型契約を結んだことがあるが、そのときの年俸1400万ドル(15億4000万ドル)が投手契約として最高額だ。 ダルビッシュの契約額は、6年1億6000万ドル(約176億円)に達すると予測されているが、レンジャーズは、4年のオプション付きで年俸2000万ドル(約22億円)で買い戻すとの話もあり、今後、ツインズがどれだけの金額を提示できるかがカギになるだろう。 “元女房役”にツインズのチームについてダルビッシュが色々と逆質問してきたことは何を意味するのか。そしてレバインGMと築かれている信頼関係もツインズにとっては大きなアピールポイント。ツインズが移籍先の有力候補のひとつであることは間違いなさそうだ。